矯正用リテーナーの使用を控える?



第36回動画は「矯正用リテーナーの使用を控える?」というテーマをお送りしています。ホーレイ・リテーナーが舌の動きを制約するのにたいして、透明アライナーは舌を口蓋に付けることができます。また、固定式のアンテリア・リテーナーは顎の拡大を恒常的に可能にしています。オーソトロピクス®️が考える、矯正用リテーナーの一長一短をご理解ください。

リテーナの使用を控えることについて、
多くの方から質問を受けます
私の話を聞いた方から、矯正治療後のリテーナの
使用を控えてもいいですか、とよく聞かれます
顎をより拡大できる可能性があるにもかかわらず、
(リテーナが)妨げているとわかった時点で
口腔の姿勢位と機能を向上することで
(顎の拡大を期待できます)
リテーナがそれを妨げている可能性があります
この点については慎重にならざるをえません
リテーナの使用を控えさせることは、
私にとって無責任だからです
リテーナ使用を控えさせて、後戻りすれば、
私の責任を免れないからです
これについては2通りの考え方があります
リテーナの使用を控えてしまえば、
唇、頬、舌の圧力バランスが崩れ
舌が作用しなくなったバランスのもとでは、
軟組織に押されて後戻りしてしまいます
しかし、もう一方のバランスの考え方では
努力して舌のバランス圧を作用させれば、
実際に(顎の)拡大が得られます
(顎の)拡大だけでなく、上顎歯列が
 上向き前方に動きます
それは理想的な状態であり、それができる
その変化を遂げるためにも、
リテーナが妨げになっています
もし舌方向(内側)に向かって
大きくバランスを崩しているなら
リテーナの使用を控える必要があります
問題は、そのバランスが変化したか
どうかを見極めることです
リテーナの使用をしばらく控えて、
様子を見るという方法もあります
リテーナの目的は、毎晩使用することで
歯並びを維持することです
リテーナの使用頻度を減らせば、
歯が揺さ振られるリスクがあります
例えば週に2日まで使用頻度を減らすと
週末にリテーナを装着したときに、
少し歯に不快感を感じますが、それでも
リテーナを嵌めることができます
もしこれを何年も繰り返すと
不快に感じるのは、歯が動いた証拠です
そこでリテーナが再び矯正治療後の
元の位置に戻そうとします
無理やりに歯が揺さ振られているので、
私は勧めません
歯を無理やり前後に動かして、歯に
ダメージを与える原因になっています
地面にささっている杭を抜こうとして、
前後にくねらせるのと同じです
(リテーナの断続使用を)続けていると、
 歯にも同じことが起こっています
試しにリテーナの使用頻度を
減らしてみるという方法もありますが
歯が揺さ振られてしまうという状況を
避けられないでしょう
これはご自身で試してみるほか方法がありません
神経系から伝わる反応は重要なので、
しっかり感じて理解し
ご自身の向上指針として下さい
リテーナには多くの種類があり、
典型的なのはエシックス ®️リテーナです
インビザライン®️という透明アライナに似ています
真空成形される食品包装グレードの
熱可塑性プラスチック素材です
機械にセットした歯型模型の上に
プラスチックシートを載せ
加熱しながら、下から真空引きします
さらに上から高い圧力を加えることで
真空と同様に作用し、より良く成形されます
基本的に同じですが、様々なタイプの
真空成形リテーナがあります
歯の特定な位置を維持するにはとても効果的です
口蓋のスペースを占拠しないので、
舌が収まるスペースが確保されます
上下の歯が少し開くのは、
最初に奥歯が当たるからです
上下の前歯の隙間は最大1ミリ、
大抵はそれ以下です
それは顎関節症を懸念するほどに
大きいのですが、ここでは触れません
他の種類のリテーナとしては、
ホーレイ・リテーナがよく用いられます
口蓋部分にはプラスチック床があり、
ワイヤーで歯に取り付けてリテーナを支えます
ホーレイ・リテーナは上下歯間を開きません
(上下の歯が嚙み合います)
しかし、口蓋の舌のスペースを占拠します。
特に舌を置きたいスペースを塞ぎます
他にも様々なタイプのリテーナがあります
固定式のリテーナは前歯の裏に取り付けます
下の歯の4本か、6本または8本に固定します
上顎は前歯4本だけに固定するよう勧めます
犬歯まで含めると外れやすく長持ちしません。
犬歯には大きな力が加わるからです
なので上の歯は4本だけを勧めます
このタイプのリテーナの利点は、
歯列アーチの拡大を制限しないことです
歯科矯正医もしくは歯科医の先生に
相談してみてください
固定式のリテーナを選んだほうが良いのかと
それとも最初は、エシックス・リテーナの
ような被せるタイプのリテーナが良いのか
上下顎それぞれに被せるリテーナを用いて、
歯並びを短期的に安定させたら
エシックス・リテーナの使用を控えてみましょう
代わりに固定式リテーナを使って
前歯の全般的な位置を維持します
そうすれば、口腔の姿勢位と機能に
とても良く作用します
そのようなアプローチの利点のひとつは、
上顎の前歯の裏に何かがあることで
どこに舌を置くべきかを思い出させます
舌先を傷つけて痛いと苦情を言ってくる
患者さんも中にはいますが
それは固定式リテーナが正しく設置されて
いるかどうかにもよると思います
それが私が言える一番のアドバイスです
リテーナの使用を控えて、
懸命に努力することもできますが
それはあなたが決めることであり、
私が決められることではありません
自らが行う行動に責任を持ちましょう
左右の第一大臼歯の内側の距離を
測定することを強くお勧めしますが
それは近日、別の動画でお伝えします
責任をもって行えるなら懸命に努力しましょう

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