呼吸を一番に、歯並びを最後に!



第134回動画は「呼吸を一番に、歯並びを最後に!」と題して、ドレク・マホニー先生とエド・リプスキー先生の対談をお送りしています。不正咬合と睡眠障害は、鶏と卵のような関係にあるとお二人は考えています。多くの論文が、10〜15%の不正咬合が睡眠時無呼吸に関連していると発表していますが、お二人の実感では8割以上であると言います。

「なぜ、私達はそんな割合で済まないのか?」。 睡眠障害を評価する AHI (無呼吸低呼吸指数)だけでは、まともに判断できないと考えています。小児の睡眠障害はもはや身体発育への悪影響のみならず、脳のダメージや性格行動までも左右すると考えるのが常識となっています。お二人が伝えたいメッセージは「呼吸が一番で、歯並びは最後に」ということです。

皆さん今日は 私の動画へようこそ
テキサスでのデーモン・フォーラムにいます
私の長年の友人であり同僚の
エド・リプスキー先生をお迎えしています
先生は小児歯科で研修を積まれ
その後に矯正プログラムを研修されました
スティーブン・オルモス先生などから
 大きな影響を受けましたね
何%の子供が 混合歯列期に
不正咬合があると同時に
呼吸気道の問題を抱えていますか?
L:2015年に診た200人の患者さんのうち
どれほどに呼吸気道の問題があるかを
歯科用CT装置で診断しました
85%に明らかな呼吸気道の問題があり
治療が必要なほどに深刻でした
M:私の研究報告は発表間近なのですが
全ての子供が 正式な睡眠ポリグラフを受け
同時に 睡眠時無呼吸を含む諸々の
診断を受けたのは初めてだと思います
クリスチャン・ギルミノー先生が
 後悔していたのは
これらの評価数値を思いついたことです
ご存知の通り なぜかほとんどの文献では
わずか 10~15%の不正咬合が
睡眠時無呼吸に関連していると述べています
なぜ私達はそんな割合で済まないのか?
L:症状を診るAHIの考え方が間違っています
 (AHI:無呼吸低呼吸指数)
ギルミノー先生自身も 人生で最大の
 間違いだったと認めています
 彼の一説は正しいですが 
循環の制限と睡眠の断片化がより重要です
ジョンズ・ホプキンス大学の研究では
アン・ハルバワー先生が睡眠障害のある子供の
認知能力と脳の発達度を調査しました
 最も深刻なケースでは
脳が発達しないばかりでなく
 破壊されています
 尿産生物のなかに 
神経経路を破壊する成分があります
 睡眠障害のある子供は
脳に障害を形成しています
彼女の研究はIQ値の平均差を調べました
最善の方法ではありませんが
 人々は理解できます
未治療の睡眠時無呼吸児の平均差は
7〜8歳までに治療を始めないと
認知機能障害は永久的なものとなり
 IQ値で15ポイント低下します
M:それは決して回復しませんね
L:賢い子供さんが平均止まりになります
この問題を抱える平均的な子供さんは
生涯にわたる取り組みが必要になります
M:私達は呼吸気道が一番で
 歯列は最後と主張しています
このフォーラムや最近の矯正歯科学会で
 この点を理解できて良かったです
全ての矯正歯科医がこの点を
理解することを願っています
子供さんの 歯並びが悪く 
顎が狭く 下顎が後退していると
必然的に睡眠障害があります
L:そもそも不正咬合になる原因は
ほぼ確実に呼吸気道と関連しています
他の問題もあります 顎関節症や
若年性の機能低下 未発達の下顎です
大多数の患者さんは呼吸気道が問題です
 脳には優先順位があり 
呼吸気道の機能が不完全ならば
 脳が最優先することは
酸素の供給を確保することです
長期間飲まず食わずにいられますが
 呼吸できないと一大事です
 そのため脳の優先順位は
顔面成長を変化させ(環境)適応させます
顔ばかりでなく 呼吸気道を広げるために
 患者さんの姿勢が悪くなれば
脊髄全体に重大な影響を及ぼします
脊髄異常と誤診された患者さんは
 どうなったと思いますか?
呼吸気道を改善して 姿勢を補正したら 
 全ての問題が解決しました
M:鶏と卵のシナリオですね
不正咬合が呼吸気道を阻害したのか?
呼吸障害が不正咬合を招いたのか?
L:私の意見を裏付ける複数の研究では
 呼吸気道が先のようです
ハーバード大学の ダニエル・
リーバーマン先生の研究によると
現代の食事は大きく変化しました
炭水化物摂取の増加が炎症を引き起こし
鼻腔に炎症があると舌の姿勢位が低くなり
舌が低い位置にあると上顎が未発達になり
 結果的に不正咬合になります
このシナリオは双方向でしょうが
大多数はこれらの問題が呼吸気道に影響して
 未発達になると思います
M:お話できて良かったです 
 これからもご活躍ください
L:どうもありがとうございます

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