6歳からバランスの良いお顔を育てることの意味

【第145回ブログ】は、6歳から始まり12歳までに完結する、鼻から下の中顔面について、顎顔面の成長をコントロールすることの重要性を解説しています。この記事は2018年12月下旬に Facebookに投稿されたものをまとめています。

【6歳からの成長パターンの違いによるフェイシャル・バランス】

パパやママにそっくりなお子さんを見かけると、DNAの意図に感動します。DNAはそれ自体がコピーですから、似て当然です。でもそれは5歳までです。6歳から思春期にいたるまで、鼻から下の中顔面が成長のピークを迎えます。

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DNAが本来持っている成長のポテンシャルを、ポジティブに引き出せるか、ネガティブに押さえ込んでしまうかによって、顔立ち、フェイシャル・バランスが変わります。もはや、親御さんのお顔でさえ、ポジティブに成長した結果でないのかもしれません。

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DNAの成長ポテンシャルを引き出すためには、口腔周囲筋の機能訓練が不可欠です。鼻で呼吸し、唇を閉じ、舌を口蓋につけて飲み込み、軽く噛んでいる。そのような習慣が必要です。

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5〜6歳になると、アレルギーにより鼻がつまり、お口で呼吸する期間が長くなります。放っておくとアゴが下がり、写真左のような成長パターンを示すことになります。

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アゴの成長は、フェイシャル・バランスだけでなく、生涯の呼吸と睡眠にも関係します。この成長パターンの分岐は6歳からと思って、お子さんの生活習慣を見守ってあげてください。

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【正しいタング・ポスチャーとは】

口腔筋機能訓練 MFT は、舌先ばかりが強調されています。患者さんが理解しやすいからでしょうか。写真左のように、舌先を前歯の歯茎に当てるように指導しています。しかし、これを安静時に無意識のなかでできませんし、連続して長い時間にわたり舌圧を加えないと、変化を起こせません。

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舌先だけでなく舌全体が、奥歯の歯茎も含めて接していなければなりません。写真右のように、口蓋全体にペッタリと舌が付いている感じです。お口を閉じたときに、舌が口蓋全体を覆っている感じです。

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反対に、舌を口蓋に付けられない段階で、もはや問題があります。気がついたら、お近くの咽喉科、歯科、もしくは矯正歯科にご相談ください。アゴが狭かったり、タングタイの心配があります。突然に口を開けながら、舌でパチンと音を出せるくらいにならないといけません。

【オーソトロピクスのバイオブロック装置】

複雑なワイヤーとアクリル床の装置なので、調整が難しいと思われるかもしれません。装着感は見かけより良いそうです。取り外しできる機能矯正装置で、6歳くらいから使い始めます。

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この装置の特長は、上下顎ともに前方への成長をはかることができる点です。上顎を前に出すことにより、立体的で魅力的な顔貌になります。それ以上に昨今は、呼吸気道を広げ、睡眠時無呼吸を防止できる効果が注目されています。

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マウスピース型の装置や、拡大床装置をはめているお子さんが増えています。これらの装置で、上下顎の垂直成長を止めることはできないようです。歯並びは良くても歯肉が見えるガミースマイルや、下顎の後退、やたらと長い中顔面にその結果が現れています。

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1960年代に英国の ジョン・ミュー先生が開発された「オーソトロピクス」は、歯並びや噛み合わせの悪さは、遺伝ではなく、ライフスタイルに起因すると考えました。その中でも特に注目したのは、舌の働き(機能)と位置(ポスチャー)です。

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【飲み込みの動画】

ダイナミックな舌の動き、肉厚な舌の筋肉、ツバを飲み込むときの舌の膨張、それら全てを、アゴの成長と歯並びの改善に使わないなんて、なんとモッタイナイ・・・

独マックスプランク研究所のMRI動画です。

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