オーソトロピクス治療から15年が経った、エミリーの結果



第158回動画は、「オーソトロピクス治療から15年が経った、エミリーの結果」をお送りしています。ジョン・ミュー先生と、お母さんのリタさん、そして娘のエミリーさんの対談です。8歳からバイオブロック装置を用いて治療した、エミリーさんの結果はどのようなものでしょうか。お兄さんは重度のオーバーバイトでした。今では、モデル並みにハンサムです。

オーバーバイトは上の歯が、下の歯に深く被さっている状態です。乳歯列期から生え変わり時期にかけて、深くなると言われています。原因の多くは、アゴの成長が遅れているか、弱いためと考えられています。ジョン・ミュー先生の治療の特長は、8歳からの早期治療と、アゴの前方成長にあります。12歳まで待っていては、自律的なアゴの発達成長を期待できず、後退した貧弱なアゴ、もしくは下方にだらんと伸びたアゴになり、魅力的な顔にならないと言っています。

そしてまた、下アゴを規定するのは上アゴであるため、上アゴの水平前方への成長を促進することが重要であると言います。舌を口蓋につけて、唇を閉じ、軽く噛んでいる習慣を、早いうちから身につけなければなりません。日本の子供たちに多いと言われる受け口(クラス3)も、実は、上アゴの成長不足に原因があると考えられています。

8歳からの早期治療が、生涯を分ける分岐点であることをご理解ください。8歳でオーバーバイトや、アンダーバイトなどの異常が認められたら、早めに早期治療に実績のある矯正歯科医もしくは小児歯科医にご相談ください。オーソトロピクス治療に理解のある先生が望ましいと思われます。

本日は ニューマンさんと娘の
エミリーさんにお出でいただいています
私は 医師のジョン・ミューです
彼女の症例を紹介する最も良い方法は
お母さんのリタさんに聞くべきと思いました
エミリーをなぜ私の医院に連れて来たのかを
リタ:なぜ エミリーをミュー先生のもとに
   連れてきたのですか?
ジョン・ミュー先生のもとに連れて来た理由は
以前の 息子の治療がとても良かったからです
息子はとても重度のオーバーバイトでした
オトガイとアゴの発育が弱かったです 
ミュー先生が息子のアゴをひき出して
唇を閉じるように治してくれました
治療結果はとても素晴らしかったです
そのため何年か後に エミリーをミュー先生の
もとに連れてくるのを ためらいませんでした
ジョン:エミリーの歯並びとアゴは
   治療する以前はどうでしたか?
エミリーの初診で 彼女の歯並びが
とても重度の不正咬合であるとわかりました
ほとんどの人は 8歳では気付かず
顔貌にダメージを与えたことを知りません
子供が12〜13歳に成長するまでです
しかし 7〜8歳の時点で
将来どうなるかわかります
彼女の上顎は非常に小さかったのです
上顎が後方に下がり
クラス3級の不正咬合でした
下の歯が上の歯よりも
前方に出ている咬合でした
よく起こる不正咬合ではありませんが
ほぼ必ず魅力的とは言えない顔貌になります
特に女性の場合はそうです
平坦な顔立ちで アゴが出ているのは 
 魅力的とは言えません
そのため これは問題なのが分かります
当然 すぐに彼女の治療を開始しました
上顎を拡大し 前方に出しました
頬骨が前方に出て とても良くなりました
彼女は実際 とても良い患者さんでした
いつもの事ながら 少し難点もありました
彼女は自然に口を閉じていませんでした
 お兄さんと同様です
そのため ほとんどの治療期間を
彼女の口を閉じるように訓練しました
ジョン:エミリーの問題を
  どのように治療しましたか?
治療過程はとてもシンプルです
ステージ1・2・3・4にわたって行います
ステージ1から始めます
基本的に 上顎の拡大と前方成長をはかります
単に 小さいネジを回して拡大します
前歯の後ろのスペースを広げることで 
顎を前に伸ばします
それにより拡大と伸長を行います
若い年齢で始めれば
例えば9歳ぐらいまでなら
顔のこの部分に大きな変化を与えられます
ニューマンさんはお子さんの変化に
すぐに気が付いたことでしょう
その後に第2と第3ステージの治療に移ります
その段階では 主に装置を用いて
子供さんのお口を閉じるように訓練します
第1段階では 顎を拡大します
第2段階では子供に正しい姿勢位を訓練します
唇を閉じるだけでなく
舌を口蓋に付けるようにし
いつも上下の歯を軽く嚙むように覚えさせます
ジョン:エミリーの治療期間は
   どれくらいでしたか?
エミリーの治療を開始したのは
確か彼女が8歳の時だったと思います
第1ステージはとても早く終わり 
 たったの4か月でした
 残りの治療期間は主に
お口を閉じるように訓練し続けました
彼女は一度それを怠ったのを覚えています
その結果 彼女の歯は後戻りしました
再治療では 主に上顎を拡大し
 再び前方にひき出しました
お口を閉じているのが難しい人にとっては
 後戻りはよくあることです
いずれにせよ 4ヶ月後には
彼女の歯並びと骨格を含め
症例結果に満足していましたが
彼女はまだ唇を閉じ続けていなかったので
夜間も 装置を使い続けるのが
良いでしょうと言いました
時間の経過とともにこの装置は
顎を下げると歯茎に当たります
これは 顎を一晩中閉じ続けるように
覚えさせる 思い出し装置です
一晩中 お口を閉じ続けなければならない子供は
この装置が行うのではなく
子供自身ができるように覚えさせられます
それにより自然とできるようになります
それでも良くできる人とできない人がいます
エミリーがまだ閉じていないのを知っています
4ミリか それ以上です
ジョン:エミリーの結果はどうでしたか?
お二人に再会できて嬉しいです
どれくらい会っていなかったでしょうか?
エミリー:10年になります
エミリーの歯並びが最大限まで
きれいになったのを見て嬉しいですが
彼女の唇は完全に閉じていないのがわかります
顔全体が少し後方に下がっているからです
彼女は親知らずがまだ萌出していないと言います
親知らずのスペースが無いことを心配しています
完全に前方に成長すれば
全ての歯のスペースができます
抜歯の必要性が完全に無くなります

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