アメリカの歯科矯正事情

【第1回】アメリカの歯科矯正事情

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2015年7月の米国の人口は3億2140万人であり、そのうち18歳未満は23%の7,390万人です。2014年の可処分世帯所得の平均は590万円($53,482:$1を110円として)であり、同時期の貧困世帯層は4,670万人(人口の14.8%)が該当します。2014年のPew調査分析によれば、全米平均世帯所得の3分の2(460万円)〜 2倍(1,380万円)を中間所得層として分類しています。高所得世帯層は1,380万円を越える年間収入があり、低所得世帯層は460万円以下の年収です。

米国歯科協会 (American Dental Association : ADA) 2015年の報告によれば、歯科医師数は195,700人であり、矯正歯科医数は10,539人です。従って、10万人あたりの歯科医師数は61人に対して、矯正歯科医数は3人です。 (日本の歯科医師数は68人で、矯正歯科医数は2人です。大差はありません。)

一般歯科医の資格を取得するためには

歯学課程を終了した後に試験を受けて、歯科医師免許を取得します。一般歯科医の資格取得は州により若干の違いがあります。3つの基本的要件の教育年限・筆記試験・臨床試験は全ての州において必須です。高校から直接、歯科大学に進む道はなく、まず認定された大学で3年間の学士課程を終了しなければなりません。3学年目に、歯科大学に進みたい学生は、歯科編入試験 (Dental Acceptance Test : DAT) をパスするとともに、良い学業評価を得ているとの推薦状を提出しなければなりません。歯科大学に入学してから4年間の教育課程を終了した後に、DDS (Doctor of Dental Surgery) または DDM (Doctor of Dental Medicine) の教育要件が充たされます。上記DDSとDDMは、国が認めた歯科では唯一の認可団体である歯科認定委員会 (Commission on Dental Accreditation : CODA) によって認定された専門医資格です。2015年にCODAは全米で60校の歯科大学の教育プログラムを認定しています。

歯科医師免許を取得するためには、歯科医師国家試験をパスしなければなりません。この国家試験は米国歯科協会(ADA)によって実施されています。最終要件は臨床試験で、これは州ごとの歯科評議会によって実施されています。ニューヨーク州のみ臨床試験を必要としませんが、受験生は認可された医局で1年間の実習プログラムを終了しなければなりません。デラウェア州のみ臨床試験も医局研修も必要ありません。以上3つの要件が揃えば、歯科医師のライセンスが授与されます。州によっては更に以下のような追加要求事項もあります。

  • 18歳または21歳以上
  • 倫理上好ましい性格である
  • 開業に関する州法試験にパス
  • 救命処置および心肺蘇生術の知識
  • 米国歯科協会(ADA)が認可した専門資格
  • 専門資格の試験結果と認証書
  • バックグラウンドの確認
  • 指紋採取
  • インタビュー
  • B型肝炎の予防接種の記録
  • 感染予防および放射線安全性に対する知識

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