矯正治療による睡眠障害の海外事例

【第110回ブログ】は歯科矯正治療による睡眠障害の海外事例を取り上げています。

 

矯正治療による睡眠障害の事例はありますか?

その質問には睡眠障害を良く理解しているニューヨークの外科医であるパーク医師が回答しています。パーク医師は、よくある睡眠時無呼吸症の原因の1つに矯正治療を挙げています。

ヘッドギアの着用やワイヤー矯正で前歯を後方へ押して、出っ歯の矯正治療を受けている子供たちのことを話しています。これらの子供たちは下顎があまり発達していないので、下顎を前に出すか、歯を前に出して上の歯と合わせる治療が最適だと述べています。

また、抜歯をして歯並びを良くする場合も睡眠障害の1原因になると述べています。抜歯をしてスペースをつくることで、歯並びが良くなりますが、顎が小さくなります。顎が小さくなると舌のスペースが少なくなります。深い眠りについた時に筋肉がリラックスし、より頻繁に呼吸が止まってしまいます。

複数の歯を抜歯することで呼吸問題を引き起こすことは確かだと述べています。

さらに現代人は柔らかい食べ物を食べるようになり、哺乳瓶で授乳されるようになったため、顎がどんどん小さくなってきています。

大臼歯は喉の軟部組織を支えているので、それを抜歯してしまうと軟口蓋が不安定になり、後の人生で軟組織の崩壊に至ってしまいます。

抜歯して治療した結果、顎が小さくなり、年齢を重ねるごとに呼吸障害と睡眠時無呼吸症に悩んでいる人はいますか?

 

3年前に投稿されたエドワードさんという個人の体験談を見つけました。

彼は小学5年生の時に、健康な大人の歯を7本抜歯して矯正を始めました。2年後に矯正治療が終わり、ハッピーエンドの結末かと思っていた矢先に、いびきを解消するための手術を受けるはめになりました。家族全員が彼のいびきに耐えられなかったからです。

彼は手術で扁桃腺と咽頭扁桃を取り除いたにも関わらず、残念なことに手術結果の効果はあまりなかったそうです。

彼はいつも眠くてしょうがなく、どこでもすぐに寝てしまうことから、高校時代の友達から笑われたりしました。時には呼吸が永遠に止まってしまうのではないかと心配されました。

睡眠の専門家に診てもらったところ、1時間に72回も呼吸停止回数があることがわかりました。1時間に5回以上停止回数があるとCPAP療法を勧められ、20回以上になると深刻な分類に入るそうです。そのため彼がCPAP療法を始めてもう10年以上が経ちます。

その後、症状が良くなるどころか悪化したため、彼は様々な専門家に診てもらい、あるアドバイスを受けました。それは、再度ワイヤー矯正で彼の顎の構造を変えることです。そう提示した口腔外科医によると、彼の子供時代、顎を正すのではなく、見た目を優先して歯並びを良くするために抜歯治療を受けたことが原因だと述べています。

彼が自己の体験談を投稿した2014年の時点では、今後どの選択肢を選ぶかは未定だそうです。彼はCPAP療法を受けて、1日に12時間以上寝ているのにも関わらず眠くて、心も体も疲れ果ててしまっているからだと話しています。

訴訟に発展したケースはありますか?

集団訴訟を呼びかけている様子が2014年に投稿されています。

集団訴訟のリーダーとしてサイト運営を行っているカナダのバンクーバー在住のオマーさんは、個人のつらい経験をきっかけに同様の経験をした多くの人の体験談を載せています。

歯列矯正の教育機関および歯科矯正協会に対して、ヘッドギヤーや顎の成長を抑制してしまう治療を禁止するように集団訴訟を起こすことを準備しています。

その起訴をサポートするために、彼のサイトでは、子供時代のヘッドギヤーや矯正治療で顎の成長が抑制された読者が集まって、個人の体験談を投稿するように呼び掛けています。

成功すれば、矯正治療で被害を受けた人達のような悲惨な運命に至ることなく、多くの子供たちを救えると主張しています。

顔貌の影響に関しては、この訴訟で勝つことはできないだろうが、気道のサイズは測れるので、悪い矯正治療の副作用をはっきりと示すことができると話しています。また、矯正歯科医は子供の気道に悪影響を与えるべきではないと主張しています。

矯正が睡眠時無呼吸症の予防になるのですか!?

しかし、矯正治療が睡眠時無呼吸症に役立つ可能性があると話すペンシルバニア州の矯正歯科医はこう述べています。

「歯と顎の整列、歯列アーチの舌スペースが気道に影響することから、ワイヤーなどを使った矯正治療で口腔内の構造を改善して気道を広げれば、睡眠時無呼吸症の予防になる。」

要するに、気道の拡大を促す治療をすれば、睡眠時無呼吸症に陥る可能性は高くならず、むしろ少なくなる可能性があるということなのでしょう。矯正治療を受ける前に、十分リサーチしておく必要があると思われました。

参考URL

矯正治療による睡眠障害の事例はありますか?

http://doctorstevenpark.com/5commonproceduresthatcanworsensleepapnea

抜歯して治療した結果、顎が小さくなり、年齢を重ねるごとに呼吸障害と睡眠時無呼吸症に悩んでいる人はいますか? https://www.righttogrow.org/edward_s_story_sleep_apnea

訴訟に発展したケースはありますか?

http://claimingpower.com/sleep-apnea-caused-by-orthodontics/

矯正が 睡眠時無呼吸症の予防になるのですか!?

https://www.hodgesortho.com/blog/2013/06/12/can-braces-orthodontics-treat-sleep-apnea-129654

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