賢い言い伝えと顔面形態
第96回動画は「賢い言い伝えと顔面形態」と題して、マイク・ミュー先生が特に興味を持ったという謎解きに迫ります。「デーブルに肘をつかず、真っ直ぐに座り、お口を閉じて、良く噛んで食べる」というテーブルマナーは、民族と時代を問わず、人類共通の「賢い言い伝え」であったと言います。そしてそのことは、顔の形に影響すると考えられています。舌や唇の口腔ポスチャーが、身体の姿勢や顔面成長と関係していることを、昔の人は長年の経験から知っていました。
歯並びの悪さと 頭蓋顔面形態の関係は
割と短期間に 劇的に
変化しているように思えます
親の世代で矯正をした人は ほとんどいません
私の学生時代でも とても少なかったです
固定式装置や 可撤式装置で矯正した人達です
私の親の世代では ほとんどいません
親は今では祖父母になっています
確実に言えることは
歯並びが悪くなり 不正咬合が増え
ある程度に 顔に変化が起きています
なぜでしょうか?
とても興味深いことだと思います
それは十分な証拠で説明がつきます
口腔ポスチャーが主な原因だと思います
口腔ポスチャーと 身体の姿勢は
一般的に関連性があります
祖父母や 曽祖父母の時代まで遡ると
イギリスは ビクトリア朝時代でした
リトアニアとラトビア出身の同僚に聞いたら
彼らも ビクトリア朝時代と
呼んでいたので驚きました
ビクトリア朝時代には類似性があります
世界中の地域においてです
この画像はビクトリア朝時代を連想させます
サン・マルタン教会では
市民や ホームレスがやってくれば
食事や寝所を与えられました
当時 教会は慈善団体でした
この画像では 皆が真っすぐに座っています
ビクトリア朝時代では
子供たちも同様に真っすぐ座っています
そのことを興味深く感じ こう考えました
食事中の エクササイズです
テーブルに肘を付かず 食べ物をよく噛み
口を閉じて食べることです
マッケンジーチンタック(McKenzie Chin Tuck)
も行い このように座ります
基本的に良いテーブルマナーです
これはビクトリア朝時代の
良い身体の姿勢を思い起こさせます
特に食事中の良い身体の姿勢です
それは実に興味深く感じました
そこで私は 患者さんの親御さんに
聞き始めました
世界中から患者さんが来ていますが
ロンドンは多文化都市ですので
患者さんは世界各地の出身者です
親御さんの親が 何と言っていたのかを
聞き始めました
以下のことが 常識かどうかです
テーブルに肘を付かず まっすぐに座り
口を閉じて食べることです
彼らの出身地で それが常識かどうかです
ほぼ全ての大陸の親御さんに聞きました
北米・南米・豪州の先住民の方は
あまり多くいませんが
ほぼ全ての大陸の患者さんを診ました
ここ1〜2年のことです
全ての患者さんのご両親や
大人の患者さんが言うには
両親や祖父母は このシンプルな
マナーを実行するようにしていました
まっすぐに座って 肘をテーブルに付けず
口を閉じて食べる習慣です
同じことが世界のどの集団でも言われていました
ちょっと立ち止まって
このことの重要性について考えて下さい
人類はアフリカを出て世界各地へ移住しました
テーブルとイスを使うはるか昔です
ではどうして この常識概念が
共通してあるのでしょうか?
人類文明が枝分かれした後に
生まれた文化にもかかわらずです
それは実際 私が知る一番良い例でしょう
平行的な 文明の進化の過程においてです
従って同じ文化現象です
食事中のマナーが 世界中で進展しました
必ずしも同時ではないでしょうが
おそらく同時代でしょう
文化の変化に関連して
そのような現象が起こるには
理由があったに違いありません
私は祖父に会ったことがありませんが
祖父はこのように言っていたそうです
「全てには理由がある」と
正常でない顔貌を目にしたとき
私は理由を探して 結論を導きます
ここで少し本論から離れてみましょう
社会を変えた60年代の革命以前に遡って
ヒッピー時代の60年代を見てみましょう
文化の革命が起こり
子供たちは立ち上がってこう言いました
「お母さんとお父さんのことは好きだけど
言動の全ては信じられないよ」と
誤りと断定した多くの摂理を捨てました
でも もしかしたら
必要以上に捨て過ぎていたかもしれません
この写真では 女性が姿勢を正すために
本やグラスまでも頭に載せています
頭上にリンゴを載せている人もいました
現代社会でこれを見ると
強制的にやらされているように見えます
本人の意思に関わらず
多分 社会が強要していたのでしょう
しかし そのように行われていました
あるグループ内ではこれが普通でした
彼ら彼女らは良い姿勢を教えられました
この本にも書かれています
題名は「Make correct posture a habit」
社会全体が真っ直ぐ立つことを目指しました
チャイナ・エアラインの写真があります
航空会社のフライト・アテンダントに
良い姿勢を教えています
欧州の航空会社でこのような光景は見られません
それ自体 興味深いお話しですね
彼女は車から降りようとしています
彼女はとても素晴らしい振る舞いをしています
彼女は混合農業の環境で生まれ育ちました
その環境は健康的だと思いますが
確信はありません
ミランダさんは 美しい振る舞いと
姿勢で 車から出ています
そのような振る舞いと 姿勢は
伝統的にしっかりと行われてきました
突然に劇的な変化を遂げた60年代までです
当時は 誰もがしたいようにしました
崩すことが カッコ良くなりました
会議でネクタイを着用しなくなりました
英国でも週末にスーツを着なくなりました
物事が変化し始めました
話を戻し 何故そうなったのでしょうか?
ビクトリア朝のイギリスと
世界中の平行文化圏の国々が
子供に強要していたのでしょうか?
それは貧困層から裕福層まで
同じく行われていたようです
良い姿勢への希求は
食事や立ち居振る舞いにも影響しました
当時の人々は 現代ほど
子供を愛さなかったのでしょうか?
彼らは子供にとても厳しかったですが
気にしなかったのでしょうか?
新兵採用の写真では
ピンや襟を使って直立させていました
軍隊では当たり前に行われていました
つい最近まで徴兵制度がありました
そのため それは社会的常識の範囲でした
なぜでしょうか? 全てには理由があります