先進歯科学会のインタビュー(1/3)



第165回動画は「先進歯科学会のインタビュー」全3回のうち、最初の1回目です。Dental Evolution という5,000人規模のスタディグループがあり、ドレク・マホニー先生がインタビューを受けました。30分以上と長いので、ハイライトをお送りしています。1回目は、不正咬合と呼吸障害との関連性です。

マホニー先生のもとに矯正治療のために紹介されてきた、3,500人の子供たちの9割に、睡眠時の呼吸障害が認められました。小児の矯正治療は、耳鼻咽喉科医 (ENT) との協力が欠かせないと言います。そこには、口蓋の形態が鼻つまり、アデノイド、扁桃肥大などに関係していることを、ENTが理解し始めた背景があります。

上顎を急速拡大するのではなく、ゆっくり拡大することにより、口蓋の形態をよりフラットにリモデリングできる、というのも新しい視点です。

R:抜歯の有無に関する
60分間のプログラムですね?
M:どんな変化が起きるのかを
実際に観察してきました
叢生のケースで抜歯が必要な場合
私が臨床と講義で強調する点はいつも
呼吸気道の問題です
30年の臨床経験から分かったことは
多くの歯並びの悪い子供たちは 顎が狭いか
適切に呼吸できていないからです
数多くの研究でそれが証明されています
私のPhDプログラムが終わりに近づいています
矯正治療のために 当院に紹介されてきた
3,500人以上の子供たちの症例を見てきました
私たちは他の医院と違って 
子供たちに睡眠テストを行いました
90%の子供たちに
睡眠時の呼吸障害があることが分かりました
歯科矯正医の有力な意思決定機関である
AAO(米国矯正歯科医会)は
今年 睡眠時無呼吸と歯科矯正に関する
ホワイトペーパーを発表しました
その白書を欲しいならメールをください 
送りますのでぜひ読んでください
まさに私が話していることを述べています
狭い口蓋をもつ子供たちは
歯が生え揃うスペースがなく
口で呼吸し 下顎が後退しています
それが遺伝だと思ってはいけません
お子さんが正しく呼吸しているのか?
睡眠時にイビキをかいていないか?
学校の成績はどうですか?
これらの質問事項をチェックしましょう
私の理論に賛同し 何年も学んだ先生は 
よく理解しています
矯正治療に対して
包括的なアプローチで臨んでいます
歯科教育とマーケティング 医院経営が
歯並びを整える 従来の歯科矯正だけでは
立ち行かなくなります
スマイル・ダイレクト・クラブで
歯並びが治せる時代になったからです
R:それはとても興味深いお話です
おっしゃる通り 早期介入が必要ですね
矯正装置以外の点も見てみましょう
解決すべき矯正課題が他にもあります
特に子供の呼吸における問題です
それは重要な問題ですが 
多くの歯科医は軽視する傾向にあります
初期の段階で 適切に診断されていない
ケースが非常に多いです
M:私は耳鼻咽喉科医 (ENT) とともに
何年も治療してきています
ENTは鼻閉塞の子供たちをいつも診ています
アレルギーやアデノイド 
扁桃肥大のある子供たちです
今になって ENT は口蓋に注目しています
狭い口蓋の子供たちに
高い確率で関連性が見られるからです
鶏と卵のような話です
ENTは鼻閉塞を治せるかもしれませんが
子供の顎が狭いままだと
呼吸気道が中途半端な状態なので
私たちのような歯科医が必要です
とても多くの素晴らしい耳鼻咽喉科医が
協力できる歯科医を探しています
しかし 顎の拡大を行わない歯科医と
どうすれば協力できるのか?
医学的に 高度に訓練された先生は
その概念を理解してくれています
R:それはいいところを突いていますね
なぜ多くの歯科医は
顎の拡大を行わないのでしょうか?
M:私が歯科と矯正を学んだころは
唯一 顎を拡大するのは
噛み合わせがずれている 
交叉咬合の場合だけと教わりました
今になって 急速に拡大した顎の多くは
後戻りすることが判明しています
組織に過度の力を加えて
歯をこのように傾け 動かしているからです
多くの人は苦労して矯正しましたが 
適切に行われませんでした
私は異なる速度による拡大を見てきました
私たちが行う拡大は 交叉咬合のためだけでなく
呼吸のため 夜尿症対策のためであり
舌の位置の改善に努める 
言語療法士のためにも行います
私たちは口蓋をゆっくり拡大します
ゆっくり拡大すると
口蓋が平らにリモデリングされ
呼吸気道が改善されます
私が指導した多くの歯科医は
長年にかけて 私のもとで働き
4人が専門医になっています
彼らは私と同じ方法で治療しています
ゆっくりと適切に拡大を行っています
従来の 上顎を拡大する方法は
縫合線を裂きました
マドンナのような大きな正中離解になります
新しい拡大法なら
正中離解はほとんど起こりません
骨そのものが改造されているからです
その方が子供にとって より安定して快適です
R:議論はありますが興味深い話題です

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