歯科矯正に対する公的援助

【フランス矯正事情part3】歯科矯正に対する公的援助

o0600039911668694646

フランスでは低所得者を対象とした様々な公的援助があります。細かく分類されていますので、大まかなもののみ紹介します。代表的なものに、CMU (セーエム ユー)と呼ばれるものがあります。これは、国民健康保険と同等の役割を果たすもので7割の還付の援助を行ってくれます。毎月の保険料の支払いはありません。ただし3割の自己負担が生じます。

次にCMU-C (セーエム ユーセ)というものがあり,これは3割の自己負担もこのシステムが援助してくれることになります。普通の診察ならほぼ無料でうけられることになります。

これらの援助を受けるにはいくつかの条件があります。CMU-C の場合1ユーロ=130 円として

  • フランス国籍を保持または、有効な滞在許可証をもっていること
  • 3ヶ月以上フランスに継続的に滞在している
  • 月の平均収入が93,600円(720ユーロ)以下である

INSEE(フランス国立統計経済研究所)によりますと2015年度フランスの平均月間所得は手取り約286,000円 (2,200ユーロ)と発表されました。計算をしますと平均所得の3分の1以下の所得者を対象に援助が行われているといえます。フランス人口6600万人に対しこの援助を受けている数は2014年が509万人で総人口の7.6%に当たります。(資料元amelie.fr)

このシステムでほぼ歯科矯正治療費もカバーできますが、セラミックタイプのオプションなどは対象外となっています。金属製の矯正装置にかかる費用のみが適用され、差額は自己負担となります。この援助を受ける患者は、事前に矯正歯科医に知らせる必要があります。

公的機関が金銭的援助を受け持ち、民間機関が矯正の正しい知識を普及するために活動しています。いくつか参考にあげたいと思います。

FFO( fédération française orthodontie)

11社の医療関連企業の協賛でなりたっているフランス矯正歯科連合会

歯科矯正に関するシンポジウムの開催、矯正歯科医を対象にした講習会や研修、また「矯正中でも笑顔を」をテーマに治療中の子供達の笑顔写真コンクールなどを開催しています。

ADF (association dentaire française)フランス歯科協会

歯科治療全般に及ぶ器具の開発、シンポジウムの開催、研修会などを行っています。

SFODF ( société française d’Orthopédie dento-facile )

1700人の会員をもつ歯科関連協会でフランスおよび世界に矯正歯科の普及に努めています。年4回「フランス歯科矯正」の雑誌も発行しています。

この様にフランスでは様々な形で矯正歯科の普及にかかわる援助や、矯正歯科医のために研修会がおこなわれています。

コメントをどうぞ


友だち追加