歯科矯正・歯の領域を超えて



第40回動画は「 歯科矯正・歯の領域を超えて 」Orthodontics Beyond the Teeth というタイトルで、ステイーブン・リン先生との対談をお送りしています。リン先生はシドニーで開業されている歯科医で、オーソトロピクス®︎ のセオリーをマスターするために渡英されました。現代歯科矯正の問題点とその解決策についてディスカッションしています。6歳からの予防的介入が必須との意見で一致しています。
Orthotropics ®︎ の Youtube サイト: https://www.youtube.com/user/Orthotropics

Dr. Steven Lin : https://www.drstevenlin.com/dr-steven-lin/

マイク先生:歯の領域を超える歯科矯正
本日はスティーブン・リン先生をお迎えしています。
シドニーからですか?
リン先生:オーストラリアのシドニーです
より大きな観点から話し合ってみたいのは
歯科矯正で何を成し遂げられるのか?
ただ単に歯列に注目するのではなく
リン先生: そうです。最近は大きな動きがあります
単に笑顔のために歯列を矯正するのではなく
はるかに大きく患者さんに影響を及ぼしています
マイク先生:その通りですね。
 これまで見てきた治療は善かれ悪かれですが
リン先生: それについては、どう思われますか?
ジョン先生は長年、最前線で見てこられましたよね
顔貌と歯列が、いかに患者さんの健康状態を表出して
いるか、深く理解できるようになりました
ジョン先生:あなたのおっしゃる通りだと思います。
矯正歯科医ではなく、一般人からの情報だと思いますが
矯正歯科医でさえ、患者さんからの疑問に答えるのに
ある程度、苦労していると思いますよ
マイク先生:矯正歯科医は歯並びに着目しているので
健康をそれ以外の観点から見ていませんね
ジョン先生:多くの矯正歯科医が間違った治療で
 顔貌を変えたり、顔貌にダメージを与えています
誰もが顔貌をより気にするようになったので、
このことは近年になって一層重要になりました
マイク先生:歯の見た目をはるかに超えて、
  顔貌を気にするようになったと思います
消費者主義とでも呼ぶべきでしょうか。
現在、普及している治療によって動機付けられ
歯科矯正が普及する以前は、歯が動き、
歯並びが良くなるとは誰も思いませんでした
今では、歯並びとともに顔面成長にも
影響を及ぼすことを誰もが知っています
ジョン先生:私の後ろのウェブサイトを
   ご覧になることを強くお勧めします
歯科矯正がいかに顔貌をダメにしているのか、
あるいは改善しているのかを、多くの症例から
一般の多くの人には想像できませんが
単純に歯を動かすだけでも、
疑いなく顔貌に大きな影響を及ぼします
マイク先生:そうですね。歯科矯正の領域を
   少し広げて考える必要がありますね
舌スペースを充分に確保できれば、人々は
効果的に舌スペースを活用すると思いますが
(矯正は)歯を動かすだけという解釈でしたが、
 それでは不十分だと思っています
リン先生:その通りですね。他の拡大と同様に、
頭蓋顔面の構造を理解するうえで良い機会ですね
M:拡大というと歯列の拡大ですか(笑)
L:舌機能と鼻呼吸への理解が、全ての患者さんの
  生理的な構成に大きく関与しています
また、発育にも関与していますが
私たちはその点を見過ごしていると思います
M:認識していない場合はですね
顔貌に有害な影響を与えてしまう可能性を、
しっかり認識しておく必要性がありますね
J:その通りだと思いますよ
矯正歯科医の多くは、顔の成長を変えるために、
できることがほとんど無いと言っています
両親からの遺伝によって決められていると
大多数の人がそう信じています
M:一般的にそうですね
L:必ずしもそうでは無いと、
  最近になって分かってきました
M:その点を理解して改める必要がありますね
L:その通りです。私のクリニックへ相談に来る
  お子さん連れの親御さんは
子供に矯正治療が必要かどうかを尋ねてきます
将来のことを思ってか、単に不安に思ったからか
結果的に私たちがその役割を果たしています
私たちが(口腔)機能について教えてあげ、
(機能を)正すことができ
M:予防です
L:予防、そう確実な予防ですね
M:8歳以上の患者さんが私の医院に来れば
患者さんがどれほどに努力するかによって、
(治療上)妥協すべき範囲が決まります
5歳か6歳ならばほぼ完全に治せます
若い患者さんには、患者さん自身で
正しく治せるアドバイスを与えます
L:それは素晴らしいことだと思います
8歳になる前に、患者さんを治療するという考えを
教えられたことはありませんでした
M:当時の矯正治療ではそれが当たり前でした
L:その時点から問題が始まったとも思えます
M:初期にはハロルド・チャップマン先生が
6歳や7歳では治療を行わないと言いました
当時彼はイギリスで有名な矯正歯科医の一人でした
L:そうでしたね。それは興味深いことです
大人の歯列が生え揃う12〜13歳まで待つ
という現代矯正歯科のコンセプトは
M:その年齢まで待ってしまうと
  あまり手立てが無いですよね?
L:そうですね。そこが完全に抜けていますね
M:抜けているポイントですね
J:矯正歯科医の歴史は2つの学校によって
  大きく影響されていると思います
一方は、口腔内で取り外し可能な床矯正で
他方は、歯に固定した装置を調整するものです
後者の方が、明らかに歯の矯正に優れています
M:後にその話題に移りましょう
J:そうだね
M:歯の領域を超えた観点について
  まとめなければなりませんね
M:(オーソトロピクスの)講義で習ったことで
  どの点が一番重要だと思いましたか?
L:最初にまず、若いうちにできる予防の概念と、
  変化しうるというアイデアです
起こりうる変化に対して、私たちが介入する
必要のあるシステムについてです
M:早期の介入についても話題にしますが、
  それは睡眠時無呼吸症についてです
 L:そうですね。アレルギーのひどい子供は
   鼻で呼吸ができなくて
睡眠状態だけでなく、腸などの多くの部分に影響します
さらに動作にも影響し、あまり好ましくありません
M:知能ですね
L:その通りです
M:子供から将来の人生の知能を奪ってしまいます
L:その通りです
口腔から腸や脳までほぼ直接的に
繋がっていることは、科学的に言われています
M:睡眠時無呼吸症では、口腔内全ての問題と
呼吸の問題から神経発達まで関連していると思います
J:簡単に言うならば、顔が正しく成長し、
治療を適切に開始すれば
かなり高い確率で全ての問題が無くなるだろう
顔貌のいい健康なお子さんに育つだろうし、
ほとんどの人が心からそう願っているね
とても多くのその他の問題を含んでいるので、
横道に逸れないように気を付けなければなりません
M:いつも探求心を持つことは大切だと思います
好ましい顔貌という話になると、
いくつかの問題につき当たります
バランスを保っているのが良い顔で、健康な顔であり、
顔貌が好ましいということと同義です

M:顔貌が好ましいかどうかは感情的なものです
L:同感です
M:時に顔貌の良くない子供を診るときです
L:確かに健康と顔貌の良さは関連しています
M:関連しています。
 同質のものを違う視点から見ているのですね
まとめると、ジョン・フラッター先生の
コメントに同感できます
彼曰く、歯並びの悪い人は健康ではないと
リン先生:そうですね。口腔と体の関係性が
     いかに重要かが分かります
口腔内を見れば、体内で何が起きているかが分かります
マイク先生: その通りです

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