変化する舌の位置と不正咬合の関係性



第48回動画は「変化する舌の位置と不正咬合の関係性」というタイトルで、クラス Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ と 舌の位置の関連性について述べています。原題は「Effect of Tongue Positions on Teeth Alignment, Dental Arch, Lip Shape & Face」という長いタイトルです。舌が口蓋に付いていればいるほど、 その時間が長ければ長いほど、不正咬合にはなりにくいことを、マイク・ミュー先生が解説しています。

異なる舌の位置と不正咬合
歯科学でよく知られているのが
歯はバランスのなかで植立していることです
舌と頬、および唇との間でです
次に挙げる質問は
不正咬合とは何なのでしょうか?
様々な歯の位置が 舌の位置に関係するのか?
ここに概念図とイラストがあります
1番目は不正咬合ではなく 理想的な咬合です
臼歯間距離が およそ42ミリで 
安静時に 舌が完全に口蓋に付いています
とても良い広い歯列アーチで
口蓋(の窪み)が浅く
水平方向に発達した顔貌は 
良好な 骨の構造と 顔の特徴を備えています
自然とそのように成長する人は 
筋緊張が発達した 限られた人だけのようです
発展途上の国で育ち 英国に移住して来た
 人々によく見られます
彼らの多くは 親知らずがしっかり生えていて 
今でも 親知らずをきちんと使っています
アンドリュースの「6つの鍵」として知られる 
理想的な咬合は 歯がきちんと噛み合います
次に 2番目の例は
この咬合をよく見かけます
様々なタイプの咬合がありますが 
多くは不正咬合ではありません
おそらく 親知らずのスペースが十分に無く 
 舌が少し下がっています
臼歯間距離は 約37ミリです
下顎切歯が少し叢生ぎみで
多分 上顎2番(側切歯)が少し捻転しています
時に上顎切歯がわずかに唇側に傾斜しています
多くは全体的に顔の形がとても良くて
矯正の必要性がとても低いです
3番目はとても典型的な例です
クラス1か クラス2の不正咬合で 
ほんのわずかに クラス3の場合もあります
臼歯間距離は 約30ミリです
一般的に 中程度の叢生歯列です
舌はある程度に 口蓋から離れていて 
口腔内のほぼ中ほどに位置しています
飲み込むときに(舌が)口蓋に
付くか 付かないかもしれません
これもよく見られる症例です
私のクリニックに来る患者さんは
臼歯間距離が 29ミリから34ミリです
そのような子供の患者さんが多く 
ときに大人の患者さんもいます
4番目の例に移りましょう
3番目の例と 4番目の例の違いは
 4番目の例は 
(飲み込み時に)噛み締める力が強い人です
これらの人々は 舌のスプリント作用があり
上下歯間に舌を挟み込み 舌を噛んでいます
強い噛み締め力を維持していて 
多くの場合 臼歯間距離がわずかに広いです
34ミリ以上ですが歯が内側に傾く傾向があります
 上顎の発達が大きいためで 上顎を通して大きな
力が加わっていますが 歯は内側に傾いています
(歯の傾きは)吸い込みによって生じます 
上下歯間にある 舌の力が歯間に及びますが
唇と頬はまだ圧力を働かせているので 
歯が舌側に押され 下向き 内向きに傾きます
これがクラス2・division2の典型的な例です
過蓋咬合のケースもこれと同じです
よく見られるのが 舌の側面の圧痕です
この症例で 舌がリラックスしている時です
最後の5番目の例は
舌が口腔内でかなり下がっている状態です
舌がきわめて低い位置にあって 
 口腔内の底に落ちています
これらの人々は ほとんどがクラス3です
舌を下顎骨内に抱えているので 
舌を前方に押し出して 気道から遠ざけます
そうしないと気道を心地よく保てませんが
上顎が完全にくずれてしまいます
下顎が前方に押しやられ 時が経つにつれ 
 下顎がより長く成長します
おそらく10歳前には
下顎が度を越して大きくなります
それ以降もさらに大きくなってしまいます
下顎が突き出ている クラス3の状態です
以下を理解することが重要です
(不正咬合は)舌位置に対応したものであり
頭蓋顔面の形態崩落の概念と 
どのような対応メカニズムが
気道と 不正咬合の基礎病理に 
相互作用するかを理解することです

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