矯正治療の長期的な影響
【第104回ブログ】矯正治療の長期的な影響
矯正治療の結果として、顔立ちの変化と歯根が短くなる問題が起こりうることを述べました。さらに、後戻りと歯周ダメージのリスクがあることも理解しておいてください。
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患者さんは歯を抜きたくないので、矯正歯科医は可能なかぎり非抜歯を試みます。一部の専門医とGP(一般歯科医)は、アンカースクリューとエキスパンダーを用いて、上顎を拡大しようとします。
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それでも親知らず(智歯)は抜かなければならないようです。歯を抜かないで治療できたとしても、数年後には再びガチャ歯に戻ってしまうことが多いのです。そのため、治療後に維持装置(リテーナー)をはめるか、半永久的なワイヤーを前歯の裏側に接着します。
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一部の専門医は、奥歯をさらに奥に移動して、前歯のスペースを作ろうとします。しかし、この方法は平坦なノッペリした顔立ちにしてしまうでしょう。加えて、親知らずが生えてくるスペースを閉じるので、埋まったままの親知らずは将来の問題を生じさせかねません。そんな親知らずを掘り起こすのは外科手術以外にありません。
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【歯並びはともかく、お顔は妥協できません】
上顎の幅を拡げるだけでなく、前後方向にも大きくできれば、歯が並ぶスペースが生まれます。幅は1〜2歯分ですが、長さは左右合計で2〜4歯分のスペースを確保できます。そしてお顔も平坦ではなく、立体的になります。
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上顎を前方に成長させることができるのは、8〜9歳頃までと言われています。うまくすれば親知らず(智歯)が生えてくるスペースもできると言います。頬骨が前に出るので、立体的で魅力的な顔立ちになります。1日6時間ほど軽く噛んでいれば、下顎は上顎に対応して成長してくれます。
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写真は左が10歳、右が19歳のオリビアさんです。10歳のとき、上の歯が内側に傾いていました。このまま経過観察していると、下顎は後退し、いずれ上顎とともに、下に向かって成長します。のっぺりした長い顔になってしまいます。親知らずと小臼歯を抜歯して、歯並びを治すことになるでしょう。
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オリビアさんは上顎を上向き前方に拡大成長させた結果、とても魅力的な顔立ちになりました。歯並びはともかく、お顔は妥協できませんね。ニュースソースは https://orthotropics.com/__trashed-7/ です。
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【歯根がはみ出すフェネストレーション】
矯正治療を終えて保定のはずが、とんでもないことになってしまう事例が、フェネストレーションです。基底骨や歯槽骨の拡大を伴わずに、歯列だけを広げて保定に入ると、歯根が顎骨からはみ出してしまう事故です。
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上顎を広げるとき、多かれ少なかれ、歯は傾きます。傾いた状態のまま固定すると、歯は咀嚼(そしゃく)や噛み合わせの力により、自然と直立します。直立すると、歯根が顎骨のなかで外側に向かって移動します。
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最終的に、骨が破れて、歯根がはみ出します。これを裂開(クレフト:cleft )もしくは穿孔(せんこう:fenestration )と言います。今はまだ水面下ですが、矯正治療の普及とともに、社会問題化しつつあります。
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特に大人の患者さんで、抜歯をせずに治療するケースで、この問題を生じやすいです。それでも歯を抜きたくない場合は、実績のある矯正専門医に診ていただくのが良いかと思います。
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