私は少女の顔をダメにしたかもしれない



第88回動画は「私は少女の顔をダメにしたかもしれない」と自戒を込めて、ジョン・ミュー先生がオーソトロピクス®️をライフワークとした、そのキッカケを語ってくれています。今年の9月で90歳になられるジョン先生が、お住まいのシャトーの前でインタビューに応じてくれました。

私たちの人生はさまざまな出来事で動かされています。医療従事者ならば、それがうまく行かなかったケースであるかもしれません。私たちは失敗から多くのことを学んでいます。ジョン・ミュー先生の場合は、ある少女の顔でした。再び同じ失敗を繰り返させないために、その後の40年間をオーソトロピクス®️の教育に捧げてきました。しかし、未だその思想は、人々に十分に認知されているとは考えていません。

私がまだ小学生で9歳のころ
女の先生が旧約聖書について話してくれました
世界が一週間でどのように創造されたのかを
単にそれを興味深い話として聞くべきであり
全てが真実と考えるべきでないと言いました
クラスの男の子が立ち上がって言いました
「僕のお父さんは 聖書に書いてあることは
  全て真実だと言いました」
先生は宗教の教えに逆らいたくなかったので
 一瞬黙りました
私は9才でしたが はっきり覚えています
先生の机と男の子のイスの位置も覚えています
先生は男の子に「サットン君が成長したら」
「大人がいつも正しいとは限らないと
  分かるでしょう」と言いました
その言葉の深い意味を覚えています
それは私の人生全てに影響を及ぼしました
 誰かが何か言って 
私が「それは興味深いね」と言ったら
心の中では本当かどうか疑問に思っています
それが他のこととどのように合致するかです
私を少し疑い深くさせます
私は大抵 学校の成績が最下位でした
苦労して資格を取得し治療を始めました
歯科について全然学ばなかったと思います
最初は手術に興味がありました
有名な外科医になりたかったので
当時世界で一番優れていると言われる
 医療センターに行きました
そのセンターでは 戦争から帰還した人々の
負傷した顔の治療をしていました
そこは世界中で最も高度で先進の
顔面に関する外科病棟でした
私は非常に優秀な人達から学んでいました
そこの生徒たちも非常に優秀でした
なので私には素晴らしい体験でした
そこで発想した 顔の構造に関する考えは
 下顎の上にある 上顎によって 
顔はどのように支えられているのか
上下顎がいかに2つの異なる形に成長するのか
基本的にそれが 顔のアイデンティティを
 作っているということです
その病棟で本当に嫌だったことは
ライフスタイルと 外科医の態度でした
大げさに話していると思うかもしれませんが
外科医が床に器具を投げつけるのを見ました
日常茶飯事であり非常に感情的な人達でした
私には向いていないとわかりましたが
すでに顔の発達に大きな関心がありました
特に歯です なので 
矯正歯科医に転身しようと思いました
 その時まで
矯正歯科医になるとは思いませんでした
それから7年後に実際に
矯正歯科医の資格を取得しました
顎矯正手術と同じ特徴は
上顎を前方へ出す方法でした
実際にかなり劇的な改善を得られ
顔全体が形成されることに感動しました
手術を受けに来る人は 普通の人に見えますが
上顎を前方へ出すことで かなり良くなります
そのことにとても感動しました
矯正歯科の訓練中に大変興味深く思ったのが
多くの矯正歯科医は上顎を後方へ下げています
当時はわかりませんでしたが 今はわかります
下顎を前方へ動かせないと思っていたからです
従って歯列がこのようになります
上の歯を後方へ動かす以外に方法はありません
Q:歯科矯正に疑問を感じ始め 
 他の方法を探し始めた頃を覚えていますか?
すぐに多くの反対意見が寄せられました
主に外科医と矯正歯科医からです
頭の中はそれらの解決策に少し忙しかったです
私の父はかなりの哲学者でした
 父の教えのひとつに
「全ての事象には理由がある」と
 私の頑固な性格から
事象には理由があることを知って
その理由を知らずにはいられません
矛盾や原因不明の現象に出くわすと
答えがあるに違いないと感じます
答えを見つけだす義務感に駆られます
それが私の仕事だと考えています
私が診ている患者さんが問題を抱えていたなら
解決策を見出してあげるのが私の仕事です
まだ多くのことが全く未解決です
一般医学ではとても深刻な問題です
 特に体の成長についてです
さらに具体的に言うと 顔の成長です
私たちは皆 同じ人間ですが
私たちの顔は皆 異なります
 顔の形の多様性は
 身体の他の部分よりも 
ずっと変化に富むことをご存知でしたか?
それは興味深い情報ですよね
勿論 それには理由があるに違いありません
当時の私は 頭で理解しようとしていました
 港に来たときに
クロコダイルのような動物は
このぐらいの長さの顎をしています
長さ6フィートか2メートルぐらいの顎です
 クロコダイルは
歯が完璧に噛み合うことで生存できます
歯がこうだったり ああだったりすると 
 死んでしまいます
進化論の用語ではこう表現されます
 非常に強力な推進要因
そのため こうだったり ああだったりする
 動物は全て死んでしまいます
このような動物だけが生き残れます
クロコダイルには 歯が噛み合っている
 進化のメカニズムがあるのです
しかし実際の成長プロセスは
それほど正確なものではありません
 そのため 成長には
修正システムがあることに気づきました
人間とクロコダイルの両方とも
歯が適切に噛み合うようにするシステムです
私の頭から離れない失敗があります
それは時間とともに形成されました
 大きな変化が起きたのは 
若い女の子の治療を行っていた時です
その当時 私は有能だと思っていました
顎の成長と 位置の調整に
機能的矯正装置を使っていました
もはや効果的な方法とは思っていませんが
今でも世界中でたくさん使われています
これら機能的矯正法は 顎を正しい方向へ
 動かすのに役立ちました
この女の子は ひどくはないですが 
少しだけ下顎が後退していたので
簡単に前方へ出せると思いました
Q:彼女の下顎ですか?
J:そうです 彼女の下顎です
顎はほぼ正しい位置にありました
彼女はとても可愛い子だったので 
上顎は正しい位置にあったと思います
なぜか彼女はこの装置の周りを噛まずに
下顎を下げて その少し後ろで噛みました
それは普通ではなくて 下顎が後方へ
下がって行くのを すぐに気づきました
正常ではなかったので 装置を中止しました
どんどん下顎が後方へ下がっていくので 
 本当にぞっとしました
魅力的な子がどんどん魅力的でなくなりました
 私はまだ一人前ではなく
2〜3年前に卒業したばかりでした
なので 医大の付属病院に戻って
何が起きているのかを聞きました
2人の学部長が彼女の精密検査をしました
  結果的に2人は
「ジョン君 心配しないで 君に責任はないよ」
「彼女の成長は遺伝によるものだ」
  と言いました
ほとんどの矯正歯科医が
今日まで信じているのは
顔の形は遺伝だということです
 しかし 私は既に 
それが環境だと決めつけていました
歯が噛み合うために 何をするかで変わります
私はこのことについて深く自戒しています
女の子の人生を台無しにしたと思っています
 その時に その問題解決を
私のライフワークにしたことを覚えています
償うために なぜ悪化したのかを見出し
誰にも再発させないようにと誓いました
しかしそれでも 多くの人々に
同じことが起きているのを見てきました
 なぜそれが起きたのか
私は知っていると いつも公言しています
 単に原因は 彼女は
口を開けっ放しにしていたからです
どれほど大きな影響を与えているのか 
 私にも分かっていませんでした
それから他の証拠も見つけました
偶然にも鼻詰まりしている子供たちは
 鼻詰まりだけの原因で
(顔が)完全に変わってしまいます
筋ジストロフィーの人は筋肉が衰弱し 
 力がなくなってしまい
顔全体が下がって駄目になります
それらは基本的なことなので
元に戻すことが可能だと思いました
もし間違った方向に行ったならば 
 生理的変化に違いないでしょう
生理的変化であるならば 
両方向へ行くに違いありません
一方通行にはなりえません
そのようにして科学の発展に駆られました
オーソトロピクスの目指す方向です
それは矯正歯科医の方向とほぼ相反しています
私には決してその意図がありませんでした
 彼らは私の友人です
 私はあることを信じ 
彼らは別のことを信じました
段々と乖離が生じてきました
私は彼らに対して特に攻撃的とは思いませんが
彼らは私に対して 明らかに攻撃的です
単に私が異なる意見を持っているからでしょう

コメントをどうぞ


友だち追加