先進歯科学会のインタビュー (2/3)



第166回動画は「先進歯科学会のインタビュー」全3回のうち、2回目です。Dental Evolution という 5,000人規模のスタディグループがあり、ドレク・マホニー先生がインタビューを受けました。今回は、クリアアライナーと、タングタイ・リリースのお話です。

手軽さと低コストから、アライナー矯正が急速な広がりを見せていますが、マホニー先生は「全ての症例に使えるわけではない」と言います。また、アライナー矯正を使いこなすためには、従来のブラケット・ワイヤー並のスキルが必要と言います。

ここ2〜3年で、タングタイ・リリース(舌小帯伸長)に対する関心が世界的に高くなっています。タングタイ・リリースについて、現状は過剰診療ではないかと懸念しています。インタビューの中に出てくる、ザギ先生 (Dr. Zaghi) の「呼吸に関する講習会」は、The Breathe Institute のウェブサイトを参照してください。  https://www.thebreatheinstitute.com

ドレク・マホニー先生が1月に来日講演されます。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
http://orthika.jp/publics/index/150

P:なるほど! その点において
クリアアライナーも含みますか?
M:クリアアライナーのメリットは 
補助として利用できる点ですが
実際は 固定式の矯正装置と同様に
バイオメカニカル的には難しいです
その点を理解する必要があります
問題の発生を避けるためです
ソフトウェアが悪い歯並びを治して
形態を変えられると思っているならば 
あなたは誤解しています
私の研修プログラムでは
予測可能な動きである場合にのみ教えます
私はドクター向けに
関連項目のチェックリストを用意しています
全ての症例において
クリアアライナーを使えるわけではありません
それでは 適合性のある症例の場合は
アライナーの収益性は高いのでしょうか?
在庫の面でかなり低コストに済みます
固定式の矯正装置は 特殊な接着剤や
ブラケットとワイヤーが必要ですが
クリアアライナーの場合は 
ラボ(技工所)が大部分の作業をしてくれます
どの症例をアライナーで治療できるかを
ラボ(技工所)に訊ねますか?
そうはしませんね
先生ご自身のスキルが必要ですね
多くの先生が携わっています
お名前は不確かですが
メルボルンのジョン・ハガート先生は
クリアアライナーの
スタディグループを作りました
先生が言うには 
どのグループに所属しているかに関係なく
一般歯科医たちが学べる目的で作りました
全てのアライナーで使える技術を教えています
必要に応じて 歯を挺出する方法などです
アライナーに切り込みを入れて
ボタンとゴムを付けることを
歯科医が学ぶ必要があります
アライナーが市場を席巻していますが
その認定プログラムとは何でしょうか?
歯科医のインプットなしに 
症例を提出するだけです
クリアアライナー何とかという 
大きなシンポジウムが去年開催され
主だったメンバーを招待しました
一般歯科の先生に
矯正治療を行っているかどうか聞くと
皆さん 矯正されていると答えるので
矯正装置の種類を聞くと
80%がクリアアライナーでした
患者さんに矯正治療を勧めても
クリアアライナーで治療しているとのことです
アライナーは市場の大半を占めていますが
始める前に 確実な矯正のスキルが必要です
しかし順序が反対のようです
歯科医はアライナーの治療を始めた後に
これは適合しないケースだとわかり
そこから 固定式の矯正装置を
学ぼうとする傾向にあります
そのため2日間のアライナーコースを設けました
ビジネスモデルとして
私の研修プログラムに組み入れました
P: タングタイのご意見をお聞かせ下さい
M:その問題は存在しますが
ここ2年で異常なブームになっています
誰の感情も害することなく
お伝えしたいのですが
P:ここで講演しても大丈夫ですよ
M:「タングタイを楽しく学んで
収益につなげる方法」というのはどうですか
子供のタングタイを見極めるにあたっては
特定の基準があります
ザギ先生 (Dr.Zaghi) はネットで優れた情報を 
提供してくれているのでお勧めします
呼吸に関する講習会を運営しています
どの子供が リップタイとタングタイの 
リリースの必要性があるか教えてくれます
リリースの必要性は確かにあるのですが
おそらく不必要なリリースも数多くあります
そのことを私のプログラムで教えています
簡単なケースにおいては
ダイオードレーザーの使用をお勧めします
必要性があれば外科手術を行います
あまり技術的になり過ぎないようします
多くの人は前方のタングタイだけに注目しますが
舌後方がタングタイの場合もあります
睡眠歯科医としての私の役割は
重度の睡眠時無呼吸の原因となる
タングタイを見つけることです
前方のタングタイリリースはできますが 
舌後方は難しいです
歯科医ができる診断と特定の基準があります
一般的に 歯科協議会や健康保険会社は
タングタイと リップタイ・リリースの
ここ2年の急激な増加に気付いているでしょう
以前は適切に診断していなかったのでしょうか?
それとも現在 過剰診断しているのでしょうか?
エビデンスに基づいた文献を参照してみると
必要性のある子供を見ても 私はやらないし 
やってはいけないとも 私は言いません
私なら決して行わないのが 赤ちゃんの
リップタイとタングタイ・リリースです
私は矯正医として 赤ちゃんのような
非協力的な患者さんに慣れていません
授乳の必要性からリップタイとタングタイの
リリースが必要な赤ちゃんもいます
小児科医や乳幼児の保健士から紹介され
歯科医が 赤ちゃんを
私の医院に届けることがあります
歯科医は 何歳になれば最初の
歯科検診を勧めるべきでしょうか?
誕生後ではありませんよね?
P:おそらく違いますね
M:これは議論を引き起こす課題です
適切に診断されて
適切に治療が行われるべきと思います
正中が開いている人は 唇小帯切除が必要と
言われていますが 必ずしも正しくありません
舌を口蓋に付けられない人は 舌小帯の手術が
必要と言われていますが 正しくありません
リップタイとタングタイの リリースを
行わなかった場合の結果を見てみましょう

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