歯ぎしりと食いしばりの原因と治療法(後編)



第34回動画は、「歯ぎしりと食いしばりの原因と治療法」の3回目、3部構成のうちの【後編】です。対症療法的なスプリント療法に関して疑問を投げかけています。仮説と言いながらもマイク・ミュー先生は、拮抗メカニズムとしての舌の働きに注目しています。また、安静時にはバタフライ・バイトのような、上下の歯が軽く接触しているか、接触に近い状態が望ましいと考えています。

私達にはフィードバックシステムがあります
これは効果的な反応システムです
これは調速機で、
蒸気機関とともに開発されました
スピンドルが速く回れば回るほど、
中央の心棒も速く回ります
それによって重りが外側へ広がり
重りが広がると、下腕カラーがせり上がり、
それに伴って蒸気機関を遅らせます
このようにして、初期のメカニズムは
一定のスピードを保ちました
もしこれが無ければ
蒸気機関はますます速くなり
部品が焼き付き、壊れてしまいます
他の調速機も同様の働きをします
拮抗筋としての舌が、口蓋に付いて無ければ
シャベルで蒸気機関に石炭を焚べるようなものです
調速機をはずせば、もっと速く動くので、
さらに石炭を焚べているようなものです
現代社会はストレスが多いので、
過剰に石炭を焚べているようなものです
私たちは大きな力を発揮することができ
10〜20分間ぐらい大きな力を維持できます。
しかし、1時間は無理かもしれません
充分に長い時間、
とても強い力が加わっています
早期接触がありますが、困ったことに
何か不快なものがあると必ず、
歯で噛み砕きたくなります
そこにあるのがわかっているので、
懸命に早期接触で噛みつぶそうとします
噛み合っているなら長時間にわたってです
これらの顎を閉じる筋肉
あるいは咀嚼のための筋肉は
噛み合った状態に適応していません
顎関節のように、歯間にわずかに隙間がある
状態で適応するように形成されています
自ら意識して噛み合うように形成されています
すでにこの行為を断続的に行っていますが
常に歯を噛み合わせていると、
身体がその位置に合わせて調整されます
常にではなく、1日最大1〜2時間か
あるいは就寝時においてです
変化を起こすのに充分な時間ではありませんが、
ダメージを引き起こすには充分な時間です
この巨大な咬合力は頭蓋骨を押しつぶし
筋肉の虚血を引き起こします。
筋肉は止めることができず作用し続けます
止めることができず、完全に病的な状態です
全く止まらないので、意識的に止めるか
過負荷のメカニズムでも止められますが、
とても大きい負荷が加わります
なので筋虚血になります
なので筋肉に多くの痛みを感じます
頭蓋骨全体を押しつぶしているので、
全ての縫合線においては
長時間、圧縮された部位で血流がなく
容易に小さい静脈や動脈が閉じてしまいます
多くの問題を引き起こす原因にもなりえます
脳血管に対してポンプの役割を果たしている、
頭蓋骨プレートの動きに興味があります
真実かどうかわかりませんが
それに対して多くの人が言っているのは、
虚言もしくは、まともな提言だということです
しかしそれも、常に食いしばっていて、
システムがまともに作用するならばです
その効果的な例は就寝時です
現代社会にありがちな多くの
ストレスを抱えて横になると
少しづつ食いしばりを始めます。
軽い食いしばりは異常ではないと思います
咬筋を軽く食いしばることは正常ですが
制御しコントロールすべきです
食いしばりを制御しないと問題が生じます
治療法を見つけるべきであり、
我々はどうするべきでしょうか?
実際に舌を口蓋に付けることが必要です。
舌先のことを話しているのではありません
「舌が口蓋に付いている」と言っても
 もし舌先だけなら誤りです
舌の後方3分の1を付けなければなりません
舌の後方で、頭の姿勢位も良くなります
テントを張るように完全に軟口蓋に付けます
奥の方でトランポリンのように持ち上げます
舌を口蓋に付けることで、
歯間から舌が離れ、歯が噛み合います
そうすれば歯が接触に近い状態で安定します
顎関節とその周りの筋肉の改善につながります
時間をかけてこの反応メカニズムを
再構築しなければなりません
失われていた反応メカニズムを
新たにコントロールしなければなりません
蝶のような嚙み合わせをすることで
安静時に歯が接触に近い状態になります
制御システムが働いている状態で、歯が
接触に近い状態になれば問題は生じません
それが安静の状態です
現代社会における概念(コンセプト)は
安静時における歯間空隙の概念には疑問ですが、
それはまた別の日の講義でお伝えします
それは顎関節の問題のように
歯は接触しているか接触に近い位置にあり、
安静時には蝶のような嚙み合わせになるべきです
それは本当に議論の多い問題で
食いしばりや歯ぎしりをしている患者さんには
(安静時に強く噛まない)ように言っています
してはいけないことを、するようにと
誰もが誤った指示をしています
トロピック前説をお忘れなく
ただ単に舌を口蓋に付けるだけでなく
口腔内で良い位置を保つことです
トロピック前説は、体の姿勢も良く保ちます
ご存知のとおり、私達には条件反射があります
運転中に誰かが目の前に飛び出したとき
ブレーキを踏むことで轢かないようにします
その行為は考えずに行います。それが条件反射です
これらは全て頭蓋骨の条件反射反応です
脊椎や咬筋の高さレベルのその上で
それでも同じプロセスをたどります
別物のように思えますが、同じ伝達回路です
運転中に誰かが急に目の前に飛び出せば、
躊躇せずにブレーキを踏みます
兄弟が運転中に同じことが起こると、
私は助手席に座っていますが
びっくりして、ブレーキを踏むかのように
床を踏んでしまいます
私は運転していないので、私に
条件反射反応が起こっている証拠です
条件反射反応を生まれつき持っていない
ので身に付けました
私たちは条件反射反応を
身に付けられることがわかりました
それを得るためには訓練しなければならず
ベッカム選手は繰り返し練習することで
条件反射反応を身につけました
スポーツ選手は皆そうして身につけています。
同じことを繰り返すことで条件反射を鍛えています
それが練習目的の全てなのです
私の関心は舌の収まるスペースが必要ということ。
舌の収まりが悪ければ、問題を生じます
不快だと (舌の) 位置を決めるのがとても難しいです
快適に感じる第一の条件は気道だと思います
どんな短い時間でも、気道に対して不快な
(舌の) 位置を維持するのは耐え難く
舌の収まるスペースが無いことは、
おそらく不快に感じる極みでしょう
この話がお役に立てることを祈ります。
これから下のコメント欄に返信していきます
私が懸念しているのは
専門家の人たちが「これは間違っている」と
断定してくることです
仮説として有りえないようなことでも
可能性として考えてみようということです
さまざまな仮説やアイデアを俎上にのせて、
その組み合わせも考えてみましょう
私の趣味のひとつは物理や天体物理などの
ドキュメンタリーを見ることです
小惑星などで起きているであろうことを
知るのが大好きです
確かなのは、研究者と理論家がいることで、
バランスのとれた科学になるということです
理論家はいるのでしょうか? 矯正歯科と
医学の多くの分野に関しては理論家がいません
実験家だけです
実験を行うことで栄誉を授与されているのです
私はここでは理論家になって
意義のある討論のために仮説を示しています
丁寧で意義のあるディスカッションのためです。
いくつかをウェブサイトに載せましたので
参照文献や、深掘りしたディスカッションを
希望する方はご覧下さい
ご視聴頂き、誠にありがとうございます

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