狭い口蓋を、いつ、どのように治すのか



第106回動画は「狭い口蓋を、いつ、どのように治すのか」と題して、オーストラリア・シドニーで開業する矯正専門医の、ドレク・マホーニー先生がチェアサイドから説明してくれています。

16歳で初診を受けたジョンの顎は狭く、歯列が重なっています。こうなった原因は遺伝ではありません。やるべき時に、やるべきことを、やらなかった結果です。7歳ならば、鼻で呼吸し、舌を口蓋に付けることにより、口蓋を広げることができます。それでも足りなければ、拡大装置を使います。

16歳のジョンには、4本の小臼歯を抜歯するしか、残された道は無いのでしょうか? マホーニー先生は、TADを用いて拡大すれば、抜歯せずとも治せると言います。それは、抜歯するとさらに顎が狭くなっていくからです。

美しい笑顔と生涯の呼吸のために、早期治療・早期介入をモットーとする ドレク・マホーニー先生の フルフェイス矯正歯科医院のウェブサイトは、こちらをご覧ください。
https://fullfaceorthodontics.com.au/stages-of-growth.php

今日は 新しい患者さんを診察しています
ジョンは 16歳で初診に来ました
私からご説明したいポイントは
 歯科医や医師 もしくは
呼吸気道の閉塞を診る先生に向けて
子供に鼻閉(鼻つまり)がある場合
 口蓋が 正常に形成されません
 ジョンの口蓋を見てみると 
どれほど狭いか ご覧いただけます
歯が二重に 重なっているのが見えますね
 彼の歯が 大き過ぎたり 
歯の本数が 多過ぎたからではありません
彼の口蓋が 狭すぎるのです
7歳前ぐらいの 若い年齢ならば
エキスパンダー(拡大装置)として 
 舌を利用することができます
 もしや 7歳児のジョンが 
耳鼻咽喉科にかかっていたならば
呼吸問題の原因を取り除くことができました
そしてジョンが 口を閉じて眠り 
鼻で呼吸し 舌を口蓋に付けていれば
(顎は)自然に拡大したことでしょう
第一大臼歯が萌出した 7歳児以降は
自然な拡大を得ることが難しいので 
拡大装置を使わなければなりません
 それでも7歳から9歳までに
エキスパンダー(拡大装置)を使用すれば
後に 固定式の矯正装置を使う必要性を
 最小限に抑えられます
16歳まで 待ってはいけません
その年齢では大掛かりな治療となります
上顎を外科的に拡大してから 安定させ
その後に 固定式矯正装置などを使います
その段階で 上顎を外科的に拡大しても
鼻呼吸が必ずしも改善するとは限りません
口蓋がすでに形成されているからです
ある技法があります 今後の研究会で
話す予定の DOMEテクニックです
 DOMEテクニックは
スタンフォード大学で開発されました
 素晴らしい外科医である
スタンレイ・リュー先生が行っています
DOMEテクニックは4本のTADを使用します
(TAD:暫定使用のスクリューアンカー)
(上顎を)拡大するにつれて 実際に
 鼻気道が 大きく改善されます
ここに学習ポイントがあります 1番目は
鼻閉(鼻つまり)の問題がある子供がいて
口蓋が狭ければ 早期に診てもらいましょう 
永久歯が生えるまで待ってはいけません
 2番目は 混合歯列期ならば 
外科手術によらず 口蓋を拡大できます
3番目は この段階(16歳)で 
 口蓋がとても狭くても
 抜歯してはいけません
抜歯するとさらに 口蓋は狭くなります 
新しい技術を用いて口蓋を拡大しましょう

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