歯を抜きたく無いあなたに送る言葉

歯を抜きたく無いあなたに送る言葉

米国の矯正歯科専門誌にドクターアンケートが載っていて、歯を抜く治療の割合を尋ねたところ、15%と言う答えであった。20年前は6割、10年前は4割のイメージで理解していたので、正直15%には驚いた。治療技術の進歩だろうか、それとも治療後の歯列イメージが変わったのか。

2月に仙台市内の先生を訪問した折りに、抜歯症例の割合を尋ねたところ、平均は5割弱という印象でした。この彼我の違いは何が原因でしょうかと先生にお尋ねすると、それは日本人の叢生(そうせい・歯並びの悪さ)が欧米人と比べてシビアだからだよ、という答えが返ってきました。本当にそれだけだろうか?

私はいつも分母に問題があるのではないかと思っている。すなわち、米国では約6割の子供達が歯科矯正の治療を受けるのに対して、日本では約15%にとどまっているという現実がある。15%は首都圏の数字だから、宮城県仙台市では10%かもしれない。また、地方都市では5%まで下がるかもしれない。とにかく、分母が違うのだ。

分母の違いは症例の難易度の差にも表れる。シビアなケースほど治したいという強いインセンティブが働く。対して、マイルドなケースは「まあ大丈夫だろう」とか「治すまでのことは無い」とか、スルーしてしまうことが多い。すなわち、日本の患者さんのメジアンは上位5〜10%にあるのに対して、米国のそれは上位30%にメジアンがある。この差は大きいと思う。

(注)メジアンとはこの場合、治療の難易度の平均値です。

福岡市の西岡矯正歯科医院の西岡先生が、「矯正歯科治療に抜歯は必要か?」というタイトルでブログ掲載されています。大変参考になる記事ですのでシェアさせて頂きました。

http://wp.me/p4R4kZ-bF

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