アゴ・それは認識されないエピデミック・・Part 2
第80回動画は前回に続き、「アゴ・それは認識されないエピデミック」の第2部をお送りしています。エピデミック Epidemic とは感染症のような意味ですが、もちろん顎が感染症になるわけがありません。現代人の噛まないライフスタイルが、急激な顎の退化(同時多発的に起きる症状:エピデミック)を招いています。小さい顎の問題は、睡眠の質の低下につながり、睡眠時無呼吸症が社会問題化する原因となっています。近年、ビジネス書でも睡眠に関する話題や著作が多いと思われませんか? その根底には、顎に収まらない舌が、気道を狭くする問題があります。
サンドラさんが 顎が下がることで起こる
症状について説明します
進化論者として私が言えることは
鼻は進化の過程で巧みに設計されました
適切なパターンで空気が通過することで
温めて 加湿し アレルギー物質を
取り除いてから 肺に入っていきます
鼻呼吸ができないというのは
決してささいな事ではありません
S:それについて話す前に
その増加現象について話さなければなりません
それらは遺伝によるものか
それとも実際は 環境によって
引き起こされたものなのか?
さらに研究するにつれて分かったのが
より環境要因で 問題が起きていることです
多くの人は 親からの遺伝により
小さい顎や大きい歯になると思っていますが
そうではありません
環境が 遺伝よりも
ずっと重要であるという観点から見ると
過去200〜300年は
遺伝子が変化するのに十分な期間ではなく
さらに多くの世代交代が必要です
なので 成長に適した環境条件を
調べなければなりません
ポールさんがアレルギーについて話しましたが
顎の成長にとって正しい環境条件は
歯が軽く接することで 上下の顎が共に成長し
そして 口唇を閉じていることです
先ほども言ったとおり イビキは可愛くなく
イビキをかく赤ちゃんは口が開いたままです
理由は何であれ 口を開けっぱなしにすると
顎が正しく成長できません
睡眠時や日常のリラックス時に
口唇を閉じて 上下の歯を軽く接していると
顎がよく成長するので
激痛をもたらす親知らず(智歯)の
スペースさえ確保できます
親知らずは 現代社会ではほとんど誰もが
抜歯しなくてはいけません
なので 口唇を閉じていれば
顎の発達がうまくいく可能性が高いです
アレルギーがあり アレルゲンの多い室内に
住んでいると 口を開けっ放しにしがちです
それは警告のサインなのだと
親御さんにお伝えします
歯を軽く噛んで お口をいつもしっかりと
閉じている状態にすべきです
単に 上下の唇を合わせただけでは
十分ではありません
私が好きな話に カトリンのお話があります
二つの異なる環境で
何が起こりうるかを示しているからです
P:最初は弁護士になるために
勉強していた人の話です
すぐに自分に合わないことがわかり
1830~1840年代の
ネイティブアメリカンに興味を抱き
彼は素晴らしい芸術家で 西部を旅行し
多くのことを発見しました
第一に 未接触部族の乳幼児の死亡率が
ヨーロッパからの移民よりとても低いことです
インディアンの墓地に行って
様々な年齢の頭蓋骨を見てわかったことが
まず ネイティブアメリカンは私たちを単に
白人と呼ぶだけでなく
黒い口とも呼んでいました
というのも 私たち移民はいつも
口を開けっぱなしにしていたからです
ネイティブアメリカンの女性は
赤ちゃんの授乳を終えると
赤ちゃんの唇を 優しく閉じることで
口を閉じるように 教育していました
彼はそれに非常に感銘を受け
南北戦争の少し前に本を出版しました
題名は「口を結んで 命を大切にせよ」です
口を開けっぱなしにすることで起こる
結果の写真が載っています
このことは とても早い段階で発見されました
私たちが今日では決して正当化できない
おぞましい実験で証明されています
猿を使って 実験的に鼻を詰まらせました
猿の鼻を詰まらせると 右の猿のように
顎が落ちることがわかりました
顎がずっと狭く小さくなりました
S:顎の全体構造が変わりました
顎がとても狭く深くなり
歯並びが悪くなり始めました
環境を変えると即座に
これらの問題を生じることがわかりました
現代は 歯並びが悪くても不都合はなく
矯正歯科に行けば 適正な金額で治療できます
歯並びが良くない事実に伴う根本的な問題は
顎が小さすぎると
閉塞性睡眠時無呼吸に発展してしまい
それはとても深刻な問題です
生活が難しく それに苦しむ人々は悲惨です
今ではそれに苦しむ子供たちもいます
ドクターに解決手段が少なく
この問題を抱える子供たちへ応えられません
時にはアデノイドを取り除きます
研究結果から アデノイドと扁桃腺が
あまり重要でないことが分かっています
鼻で適切にフィルターしないので
アデノイドが抗体反応を起こし 肥大化します
そのため アデノイドと扁桃腺を
小さい子供から取り除いています
大人も同様に除去しています しかし
それは根本的な問題を解決できません
睡眠時無呼吸症の根源的な問題は
多くの二次的な健康問題を引き起こすことです
P:睡眠時無呼吸症は単に
十分な睡眠を得ていないだけではありません
睡眠不足は強いストレスの原因になります
ストレスが 心臓病に
関連しているのを知っていますね
癌にも関連性があるという
証明が立てられています
様々な精神機能障害にも関連しています
ADHD (注意欠陥) という多動性障害です
また 死亡にもつながりえます
睡眠不足による高速道路での事故死は
飲酒運転よりも多いそうです
インターン生に十分な睡眠を与えないので
病院での死亡事故も起きています
酔っぱらいのインターン生が
あなたの介護をしているのと同じことです
睡眠は人類にとってとても重要です
歯並びが悪く 小さすぎる顎は
深刻な健康問題と繋がっているサインです
必ずしもそうなるわけではないですが
考慮しなければいけません
増えている現象のひとつは
睡眠時の呼吸の中断です
S:私たちの喉には管 (くだ) があり
鼻や口から 肺まで通っています
その管は ある一定のサイズですが
顎が大きくないために
舌のようなものが管に当たると
混み合い 後ろへ押されて遮られます
P:あなたが言っているのは 顎が
歯にとって十分な大きさが無いだけでなく
舌全体のスペースも無いということですね?
チンパンジーの顎は 舌全体を
収容できるスペースがありますか?
S:チンパンジーと人間の気道は異なります
私たちは進化し 言語が発達したので
私たちの気道は 舌が管から
かなり離れていて 傾斜気道から
真っ直ぐな垂直気道に変化しました
私たちは言語を話すので
舌は後方にある方が より機能的です
P: 舌は夜中、睡眠時に窒息させますね?
S: その通りです
人類は言語が発達したために
生き残ることができました
言葉でコミュニケーションできたからです
チンパンジーは話すことができません
情報を共有することで生存できましたが
その情報には代償を伴いました
その代償とは
自分自身で窒息死させてしまう可能性です
皆さんはイビキをかく人を知っていますね
どこの家庭にもイビキをかく人がいます
年を取るにつれて よりイビキをかきます
舌筋と咽頭筋の弾力性を失うからです
イビキは 睡眠時無呼吸症を
引き起こす最初の段階です
イビキをかき 長生きしている多くの人は
何らかの無呼吸に発展するでしょう
時に呼吸が止まることを意味し
それは長期間に及ぶかもしれません
P: 睡眠時にですね
S:睡眠は現代社会の流行語です
ハフィントンさんなどが本を書いています
ウォーカー氏は素晴らしい本を執筆しました
彼らは様々な関連性を見つけています
生活・健康の質と快適な睡眠との関連性です
睡眠時間だけでなく 睡眠の質も含めてです
10代の睡眠の質でさえ
異なるステージの睡眠があります
回復ステージの睡眠を最大限にすべきですね