タングスラストのある子供



第153回動画は「タングスラストのある子供」というタイトルで、ドレク・マホニー先生がその早期治療法を開示してくれています。タングスラスト Tongue Thrust は「舌突出癖」と訳されていますが、多くの場合、上下歯間に舌を挟んでいる状態を含めています。また、前歯のみならず側方歯の場合もあります。タングスラストがあると前歯が押されて、スキマがある開咬となり、よく噛めない、サ行・タ行を発音しにくいなどの問題が生じます。

タングスラストによる開咬症例は、筋機能療法 Myofunctional Therapy : MFT を欠かせません。その原因が、舌のポスチャー(姿勢位)が低かったり、飲み込み時の舌の動かし方が悪かったりするからです。そして、この治療を遅らせることは事態をますます悪化させます。アゴを広げ、舌位置を安定させ、正しく飲み込む訓練を経て、早めに噛み合わせを正常にすることにより、将来の矯正をより簡単なものにできます。

動画のなかに出てくる「逆嚥下」「反対飲み込み」Reverse Swallow については、以下の Youtube 動画を参考にしてください。



今回は新しい患者さんの診察を行います
ジェイ君を掛り付け歯科医から紹介されました
 彼の2点を心配したからです
それは 狭い口蓋と叢生(乱ぐい歯)です
 何が原因かをお見せします
ジェイ君は深刻なオープンバイト(開咬)です
飲み込み時に 舌を歯間に挟んでいます
これを タングスラストと言います
 彼のタングスラストの原因は
重度のタングタイ(舌小帯短縮症)です
舌を口蓋に付けることが難しいです
このような子供へ施す治療は 3つあります
まずは口蓋を固定エキスパンダーで拡大します
その際はまだ 舌は不正な位置にあります
それから舌小帯伸長(タングタイリリース)が
 必要かどうかをチェックします
タングタイは前方だけでなく
彼の場合は 舌後方もタングタイです
3番目に筋機能療法のトレーナーを使います
それは舌の位置を変えるために役立ちます
 もう一度見てみましょう
顎を上げてお口を大きく開けてください
 口蓋の幅をご覧ください
側切歯のスペースが無いのが分かります
そのため隣の犬歯の萌出経路の
スペースがとても少なくなっています
M:「ミシシッピ」と言って下さい
J: ミシシッピ
M:「66」と言って下さい
J: 66
彼の舌がどこに動くのかをご覧ください
まずこの装置を使って治療を開始します
大臼歯にバンドが付いています
お母さんがキーを回して口蓋を拡大します
スペースができたら 筋機能訓練装置に移ります
 ここをご覧ください
舌の動きが取れず 前方に突出できないため
タングタイにも効果があります
口蓋が拡大し 舌を口蓋に付けられれば
歯を正しい萌出経路に導くことができます
シンプルな療法で 口蓋を拡大し
舌の位置を変える 組み合わせ治療です
言語聴覚士は口蓋の幅の重要性を理解していません
多くの歯科医はタングスラストを理解していません
多くの人は タングタイを理解していません
知ってても 前方タングタイだけに注目しています
臼歯部のバンドアタッチメントを使って
狭い口蓋や 反対飲み込み(逆嚥下)を治療します
医者は この反対飲み込み(逆嚥下)を 
幼児性の嚥下パターンや
内在性タングスラストと呼んでいます
そのパターンを変える必要があります
歯の萌出経路をつくるためにです
私の目標は 嚙み合わせを正常にし 
舌を必要な位置に挙上すれば
将来 固定装置による矯正の必要性を減らせます

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