アメリカの歯科矯正事情

【第3回】アメリカの歯科矯正事情lvaznm01-01

米国の普及率について

現在アメリカにおいて、大人の矯正治療はとても普及しています。米国矯正歯科医会(AAO)の2014年の調査によれば、18歳以上の146万人が矯正治療を開始しました。これは2年前(2012年)とくらべ16%の増加です。2014年において矯正治療途中なのは、子どもと大人を含め590万人です。(治療終了までに通常2年かかるので、年間新患数は300万人弱です。しかしこの数字は矯正歯科医会のデータのみなので、GP矯正を含めればもっと患者さんの数は多いでしょう。)590万人のうち、25%は18歳以上の大人で、75%は18歳未満の子どもです。クリアアライナーによる矯正は専門医の89%が行なっており、年平均22人をアライナーのみ、もしくはブレース併用で治療しています。

抜歯症例について

2014年調査によれば、抜歯をともなう矯正治療の割合は15%です。(日本は5〜6割が抜歯ケースです。)しかしながら、永久歯が生えてくるスペースを確保するために、乳歯を便宜的に抜歯すると答える矯正医の割合は80%に達するそうです。これは年々、生え替わり時期の混合歯列期(小学生のころ)に治療を開始する割合が高くなっているためです。

矯正料金について

2015年調査における矯正治療費は、60〜70万円 ($5400~$6200 : 1ドルを110円として)と報告しています。また、CostHelperというウェブ調査によれば、期間1〜3年で治療の難易度にもよるが、33〜88万円 ($3000~$8000) という報告もあります。両者の違いは、前者がアライナー矯正を含まない、可撤式装置(床矯正装置など)を含まない、一般歯科医(GP)による部分矯正を含まないためです。ほとんどの矯正歯科医は初回相談料や検査料を含めた料金としていますが、一部のドクターは初回相談に1〜2万円、X線写真に1〜3万円、終了後の保定装置に2〜10万円を別途に請求する例もあるようです。(治療費は一見、日本と差がないように見えますが、約半分の治療費は、勤務先の健康保険または個人加入の医療保険でカバーされています。従って、自己負担は上記の残り半分です。)

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