歯ぎしりと食いしばりの原因と治療法(前編)



第32回動画は「歯ぎしりと食いしばりの原因と治療法」の前編(3部構成)をお送りします。その原因と対策については、歯科界を中心に様々な研究と議論がなされてきましたが、いまだ有効な手立てはありません。一般的にはスプリント ( splint ) が処方されます。原因不明と言われる「歯ぎしりと食いしばり」ですが、全人口の1〜2割が悩んでいるとも言われています。マイク・ミュー先生は、咀嚼筋の使いすぎに原因があると考え、咀嚼筋をコントロールする拮抗筋の存在に注目しています。

歯ぎしりと食いしばりの原因と治療法(前編)
これらは多くの人の悩みの種になっています
私が思うに状態は悪化しています
それらは頭痛や顎関節症、
歯の摩耗の原因になっています
その原因については、
歯科医の間でも多くの議論がなされています
多くの興味深い治療法があります
上の写真は硬いスプリントです
右下は柔らかいスプリントです
硬いスプリントは精密に調整されます
左下の写真で分かるとおり
基本的にカーボン紙を用います
上下で噛んでスプリントに印をつけます
その結果、顎間のバランスがとれます
スプリントは上下どちらでも構いません
歯を調整して滑らかに動くようにします
作用しない側で接触すべきと言う人もいれば
作用する側で接触すべきと言う人もいます
犬歯誘導、または全体機能という言う人もいます
スプリントの調整法には多くの考え方があります
歯ぎしりを引き起こしてしまう習慣を治すためです
多くの異なる見解があります
これらの装置に対する私の懸念は、
舌のスペースを占拠していることです
軟かいスプリントは噛むように推奨されています
歯間に何か軟かいものを入れると
よく噛んでしまうので逆効果です
咬筋を過剰に使っていることが指摘され
歯間を開くことを勧められますが
それがスプリント療法と関連しているかは、
議論があります
反射作用スプリントは1〜2本の歯を
過剰に刺激してしまいます
大抵、下顎前歯なので負荷しきい値を超えて
しまいます。それは後で説明します
反射作用によって開口を引き起こしたり、
少なくとも閉口しづらくなります
歯の接触を避けるように言われているので
ガムを噛むことや咬筋を使うことを避けています
顎関節症の人にとっては悪くない考えですが
正常な状態ではなく、病的な状態です
特に問題ない場合は、どうすれば良いでしょうか?
(咬筋を)使わないという考えのもとでは
咬筋の使い過ぎということになりますが
我々の祖先がどうだったかを見ると興味深いです
22万年前からの先住民を解剖して見てみると
食いしばりや歯ぎしりはありませんでした
これら症状は現代社会の問題のようです。
興味をそそるのが先住民や原人は
歯の摩耗がひどく、それは単に数人ではなく
全員がそうだったということです
これは比較的現代の先住民の写真です
保存された頭蓋骨にある何本かの歯は
ひどく咬耗しています
興味深いことに、
科学は咬耗症に関連して形成されています
咬耗症とは歯と歯の摩擦による消耗です
我々はいつ頃、歯が萌出するか分かっています
下顎第1大臼歯は6歳以降すぐに萌出します
12歳臼歯は12歳に萌出し、
親知らずは18歳ぐらいに萌出します
歴史上とても一貫していて、大体18歳ぐらいです
現代では、とても遅く萌出するケースや
全く萌出しないケースもありますが
とても一貫したパターンがあります
6歳臼歯は6歳時、12歳臼歯は12歳時、
親知らずは18歳に萌出しているパターンです
各歯の咬耗の違いを見て、
おおよその年齢を当てられます
それはとても一貫しているように思われます
ブロスウェル氏によってこう述べられました
咬耗の度合いは、新石器時代から中世まで
とても一貫していました
中世まではとても通常のパターンでした
頭蓋骨の年齢を測るのに用いられてきました
誰が言ったのか分かりませんが、
興味深い引用句があります
下顎第1大臼歯である6番目の歯(6歳臼歯)が
40代半ばから何本かの歯根に
分かれることは珍しくありません
歯が咬耗して歯根に近づきます
2〜3本の歯根があります
それは極度の咬耗だったので
私たちの祖先は多くの咬耗があったと言えます
私たちが知る限り、
彼らは歯ぎしりや食いしばりがありませんでした
それでは歯ぎしりや食いしばりは
咬筋の使い過ぎからくるのでしょうか?
その可能性はありますが
それに関してはもう少し複雑で、皆さんの意見が
完全に間違っているわけではありません
ただもう少し複雑であり、
より掘り下げた回答が必要です
興味深いのは、関節の間にある骨格筋の全ては
反対方向または一対となって配置されています
片側だけで関節に作用する筋肉がないのは、
コントロールできないからです
典型的な例では上腕二頭筋と上腕三頭筋です
上腕二頭筋と上腕三頭筋を使ってみます
腕を上げるときは、上腕二頭筋を使って
いますが、上腕三頭筋も作用しています
なので上腕三頭筋が使われていないわけではなく、
コントロールしています。上腕二頭筋を減速させ、
働きを規制しています。
両方の筋肉がきちんと反対方向に作用します
これらの向きで反対方向に作用しています
私の腕自体の重さを別にして、
あまり違いがあるとは思えません
私にとっては同じように感じます
神経系のコントロールが作用しています
脊椎の辺りでコントロールされ、
よく作用しています
運動を制御するだけでなく、作用し過ぎ、
作用しなさ過ぎもコントロールしています
そのように筋肉をコントロールしているので、
何をしているのかあまり考えなくてすみます
腕を伸ばして曲げる。
伸ばして曲げる、伸ばして曲げる
そのようにして作用しています
このような動作は、頭で考える必要はありません
痛みの反射神経ととても似ています
熱いものに触れて火傷すると痛いです
痛みを頭で考える必要はありません
「火傷している、バーベキューの臭いがする」
 と頭で考えてから行動するのではなく
瞬間的に反射運動が起こって指や手を
熱いものから引っ込めますよね
そうして自身を守る、それが反射神経です
誰かが面白いことを言っていました
「恐竜には多くの脳がある」
それは真実ではなく、
恐竜は一箇所だけで考えています
多くの部分的な制御は、他の箇所でも可能です
体の下の方でも可能です
恐竜のようにとても長い体をしている生物なら
そうするのが賢明でしょう
脳に伝達するまで時間がかかるので
反応が遅くなります
それは問題を生じ、事実、
組織内で共鳴のようなものが起こり
かなりのダメージを受ける可能性があります
人々が後脳の可能性を認識したことは興味深く
恐竜の場合、場所は脊髄の辺りにあります
咬筋が身体で一番大きい筋肉
だという人が多いですが
一般に1平方ミリあたりの筋肉量は
どの筋肉も同じです
わずかに異なる種類の筋肉がありますが
横紋随意筋ならどれも同じです
異なる向きのものもあり
3種類の典型的なてこの分類で説明します
多くの筋肉は第1種てことして作用します
例えばひじです
三頭筋はひじを少しひっぱり
関節のこちら側に作用します
関節の反対側に離れている力が加わり
典型的な第1種てこのように
関節の中心から蝶番のように作用します
状況が不利でも上手く作用しています
もちろん咬筋は異なり、
わずかに不利な状況で作用しています
これら異なる種類の筋肉を見てみましょう
ひざは大腿四頭筋と25対1の
不利な割合で作用します
運動範囲は大きいですが、力は小さくすみます。
身体で一番大きい大臀筋(だいでんきん)は
10対1の比率で腰のあたりで作用しています
そのため運動範囲は小さくなりますが、
巨大な力が出ます
大きいリュックを背負ったり、
誰かを持ち上げることができます
スクワットから立ち上がれるのは大臀筋のおかげです
大臀筋の10対1のてこ比は不利ときに有利です

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