デンタル・バランスゾーン
第47回動画は「デンタル・バランスゾーン」というテーマでお送りしています。歯科医療従事者には当たり前の知識ですが、理解不足や誤解もあるようです。ムーシールド®️やマイオブレース®️が頬と唇の圧力を排除してフランケル効果を発揮する一方で、舌が歯列を成長拡大させる効果にもっと光を当てるべきと、マイク・ミュー先生は考えています。
デンタル・バランスゾーン
詳細に かつ 完全に理解されていないため
繰り返し話題にしています
歯科学の分野では 歯がバランスを保って
位置していることは 広く知られています
舌に対抗する 唇と頬との 間でです
舌は内側から 唇と頬は外側から
押すことで 歯並びが保たれています
22万年前の あるいは 何百万年前からの
私たちの祖先にも 同じことが言えます
5400種におよぶ哺乳類にも同じことが言えます
今日生存している 先住民の全てが
矯正歯科医に診てもらわずとも
生まれてから死ぬまで完璧な歯並びを保っています
その分野に関しては ベニ・ソロー氏が
歯槽補償メカニズムの概念で触れています
メルビン・モス氏の 機能行列の定理でも
論じられていますが
詳細については触れられていません
頬側と唇側で 遮蔽シールドを備えた
フランケル機能矯正装置をご存知ですね
軟組織のドレープを押しやることで
頬を(歯列から)離すことで 歯が動きます
どれほど(顎を)拡大できるかに驚くでしょう
フランケル装置は単に 頬を遠ざけるだけですが
頬を遠ざけて保つことで 歯列が広がり始め
リップバンパーの効果が現れます
リップバンパーは 唇圧を遠ざけるために用いる
(アーチ状に)曲げられたワイヤーです
下顎歯列に叢生が見られる場合
徐々に歯を動かして並べることができます
唇を遠ざけて(歯列との間に)隙間を作るだけで
いかに歯並びが良くなるかに驚くでしょう
信じ難いほどに 舌が代わりに機能します
舌が歯並びを良くする効果にとても驚きます
私たちは皆 歯並びを良くしようとする
奥深いメカニズムを持っています
その自然なメカニズムの作用を妨害する
他の要因もあります
そのメカニズムをいったん理解すれば
それを有益に活用することができます
その典型的な例の一つが 上顎歯列を拡大して
舌の収まるスペースを確保することです
舌のポスチャー(姿勢位)と機能を変えられれば
歯並びを良くすることができます
オーソトロピクスの原則の一つは 自分自身で
歯並びを良くするように 仕向けることです
患者さんのために 一生懸命に頑張るのではなく
患者自ら 歯並びを良くさせなければなりません
その理由は 自ら歯並びを良くできた人は
矯正治療によって治してもらった人より
長期にわたり 良い歯並びを維持できています
子供の宿題をやってあげるのと似ています
いつも宿題をしてあげなければならないでしょう
その子は与えられたレッスンを学ばないからです
歯科矯正では小さな注意事項があります
口腔内でたくさんの装置を使うかどうかです
リンガル装置などは 舌の自然な位置を
阻害してしまう可能性があります
歯並びを治してくれますが
症状の元となる原因を悪化させてしまいます
その原因とは 舌の位置です
どのように(舌が)機能しているのかを
しっかり考える必要があります
リンガル装置などを始める前にです
全体像を見ることがとても大事です
ポスチャー(姿勢位)によって 舌と唇の機能を
変えるように指導してくれる専門医がいます
口腔筋機能療法士 もしくは 筋肉の研究者です
それら専門医はもっぱら指導してくれますが
自ら実践して治すスタイルではありません
結局は 軟組織のバランスであるところの
デンタル・バランスゾーンを変えたいならば
自分自身で行わなければなりません