お口をテーピングする(前編)
第93回動画は「お口をテーピングする(前編)」と題して、マイク先生とフランク先生の対談の前半をお送りしています。フランク・シーマン先生は、米コロラド州のコロラドスプリングスで開業する、補綴(ほてつ)専門の歯科医です。補綴とは虫歯や歯周病で失った歯を、クラウンやブリッジ、入れ歯やインプラントなどで再建する歯科治療のことです。そんなフランク先生がコースを受講することになった動機は、患者さんの口腔環境を改善したいという強い思いからです。口呼吸をやめさせ、鼻呼吸にさせる。それだけのことで、患者さんの睡眠の質を改善し、補綴物を長持ちさせることができると言います。フランク先生はそのために、「リップシールテープ」を開発しました。
フランク・シーマン先生の「リップシールテープ」の詳細は、以下の URL をご覧ください。
https://lipsealtape.com
フランク・シーマン先生は 米国コロラド州の
補綴(ほてつ)専門の歯科医です
補綴(ほてつ)専門の歯科医は
入れ歯や歯冠 ブリッジの治療を行います
M:インプラントは他の先生にお願いして
いるのですね? F:そうです
M:口腔外科医がインプラントを埋め込みます
フランク先生が インプラントの上に
歯冠やブリッジを付けます F:補綴物です
先生が訪英した経緯を紹介させてください
パトリック先生と一緒に研修会に参加していて
インタビューに応じてくださいました
なぜイギリスへ来ましたか?
F:パトリックと一緒に第二コースを
受けるためです M:なぜですか?
F:もっと学んで 患者さんの
呼吸習慣を改善させたいのです
唇を閉じて 鼻で呼吸させ 舌位置を正しくし
それらを同時に行います
M:それではお伺いしますが
入れ歯の作成に多くの時間を費やしている方が
なぜ患者さん教育をされるのですか?
M:あなたの患者さんには歯が無いと
思うのですが F:その通りです
M:歯がない人に教育しているわけですね
F:そうですね
M:なぜですか? F:日頃の診療で直面する
様々な歯科の問題に影響するからです
例えば 口呼吸がもたらす影響は
第一に 口腔粘膜が乾燥し
粘着性物質の残留膜が残ります
そうすると たくさんの細菌が集まり
口臭や 虫歯になり 歯茎が腫れます
歯肉組織の炎症につながります
また夜間の 食いしばりや
歯ぎしりの原因にもなります
睡眠時無呼吸症の人は
睡眠時に目覚めるたびに 咬筋が活発に働き
食いしばりや歯ぎしりを繰り返します
私はその摩滅して短くなった歯を診ています
睡眠時に 唇を閉じて鼻で呼吸すれば
口腔粘膜を湿らせた状態にできます
また睡眠中の歯ぎしりや
余計な咬筋運動を抑えることで
治療した補綴物を長持ちさせることができます
長期的に見て問題が少なくなり
自然と予防につながり
F:治療がより上手くいくと考えています
M:素晴らしいです 具体的にはどうですか?
実際何をして患者さんを変えさせていますか?
私の場合は フランク先生の患者さんより
ずっと若い患者さんに教えています
今ではもっと年上の患者さんを探しています
治療年齢を16〜18歳まで引き上げました
30歳までなら良い結果を得られましたが
30歳はあなたの患者さんと比べて若いですね
F:そうですね でもいますよ
M:この動画の視聴者は自己向上したい人です
それでは自己向上のために何が必要ですか?
まず参加意識を高め
次に問診表に記入してもらいます
M:その後はどうなりますか? その先に
興味があると思うので F:わかりました
まず問題を見つけ イビキをかいているか
イビキに自分や親が気づいているか聞きます
患者さんが変化を実感できる
解決できそうな課題を見つけます
M:患者さんの変えたいを見つけるのですね
F:そうです
それができる唯一の方法は
睡眠時の口呼吸を止めることだと伝えると
患者さんは 口呼吸をしていませんと答えます
睡眠時に口呼吸をしていないと言い張る人には
高解像度の非対称検査を行います
M:自宅でできる検査装置ですか
F:院内に備えてあります
M:患者さんが自宅に持ち帰りできるのですね
その器機は何ですか?
F:商品名は300-Iで
1,000ドルほどで売られています
わりと高価です
M:でも自宅で使える機器ですよね
F:私のクリニックには8台あります
患者さんが機器を自宅に持ち帰れます
患者さんの口腔内を見れば
口呼吸をしているのがわかるので
F:患者さんにも知ってもらいたいのです
M: データを患者さんに見せるのですね
F:一晩だけの比較検査を行います
3秒ごとにデータを記録し
翌朝パソコンで印刷します
M:要するに問題のある患者さんを診断し
その患者さんに行動を起こさせるのですね
患者さんを変える
あなたのプログラムとは何ですか?
F:患者さんにデータを見せてから一晩だけ
唇にテープを貼り付けて比較検査を行います
患者さんに両方のデータを見せて
どちらのデータが良いかと聞くと
答えは明らかです
F:80%の人が唇をシールした方がいいです
M:テープを使うのがあなたの治療法ですね
F:患者さんが信じてくれる客観的データです
M:あなたが話してくれた話題のひとつに
患者さんが自分で貼れるように3Mと共同で
テープを開発したのですね? F:そうです
M:見せていただけますか?
F:多くの患者さんに使っていただいています
M:これがフランク先生の開発したテープです
M:ひとつ出してもいいですか?
F:はい どうぞ
M:これが1枚のテープです
M:試してみてもいいですか?
F:もちろん
唇と同じように端が下向きになります
こちら側をはがします
M:こちら側を貼り付けるのですね
F:それはゴミです 粘着している側です
M:わかりました
F:それでは下向きです
M:逆さでしたね この方向ですね
F:多くの患者さんが言うのは・・・
M:それからどうするのですか?
F:閉じた唇に貼ります M:普通にですか?
F: Pを発音するときのようにします
真ん中から外側へ押し伸ばしていきます
唇に押し付けながら伸ばします
普通は乾燥している唇に貼ります
呼吸をしなければ唇は乾燥するからです
このテープは口呼吸をさせないことで
唇を乾燥させずに潤します
潤った状態を保つことで
一晩中 粘着するのに役立ちます
市販の商品は粘着力が強すぎて
はがすときに痛いので
私の患者さんは使いたがりません
そのため 3Mと一緒に
粘着力の弱いテープを作りました
普通の皮膚と違って
軟かい唇の皮膚に効果的に貼り付きます
破こうとすれば破けるので
そんなに拘束性はありません
指でもはがせるので とても使いやすく
簡単にはがせます
M:使い終わったらどうするのですか?
F:粘着力は一晩だけなので
M:毎晩 新しいのが必要ですね
F:何度も使おうとする人がいますが
夜中にはがれてしまいます
M:これの市販価格はいくらですか?
F:米国内のサイトで15ドルです
「リップシールテープ」という商品名です
M:皆さんご興味があればぜひ これは
フランク先生の商品ですね? F:そうです
私は患者さんのために開発しましたが
希望が多かったのでネット販売を始めました
M:他に何かありますか?
テープはいいと思いますが
幼い子供には使いづらいですよね