睡眠時無呼吸症の動かぬ証拠



第121回動画は、前回に続き「睡眠時無呼吸症の動かぬ証拠」と題して、ドレク・マホニー先生のビデオメッセージをご紹介しています。今回の患者さんはご高齢ですが、歯ぎしりと歯の摩滅、マランパチー分類のクラス4、舌の側面のスカロッピングと、前回の患者さんと同じ動かぬ証拠がありました。
動画のなかに出てくる、ドーサルエア装置 ( Dorsal Appliance ) 、AHI(無呼吸指数)、およびマランパチー分類と睡眠時無呼吸の関連性については、後日改めてご報告したいと思います。

引き続き 歯ぎしりとマランパチー分類の
 関連について 紹介しています
バルさんは 重度の過蓋咬合なので
ドーサルエア装置を作りました
*Dorsal Appliance : 無呼吸症に用いる*
その装置を使っている時のように
 顎を前へ出してください
 歯の摩滅に着目すると
歯の形態と完全に一致しています
つまり患者さんは夜 顎を前方に出して 
 呼吸気道を開こうとしています
バルさん お口を開けて「あー」と言って
マランパチー分類のクラス4です
軟口蓋が舌で塞がれているからです
中咽頭があまり開いていません
マランパチー分類と比べてみてください
いつものように嚙んでください
このように過蓋咬合で下顎に被さっていると
もう一度お口を開けてください
ご覧の通り 前歯だけ摩滅しています
(下の歯の)摩滅が上の歯と噛み合えば
バルさん 前歯で噛んでください
睡眠時無呼吸症の決定的証拠です
これを見てわかったのは
バルさんは実際 無呼吸指数が15.6でした
口腔内に装置を付けるだけで
無呼吸指数が5まで下がりました
これは非常に好ましい結果です
単なる平板スプリントの着用では
患者さんは歯ぎしりを続けるでしょう
歯ぎしりの原因がストレスではなく
「睡眠時ブラキシズム」だからです
それに関するジル・ラヴィーン先生の
 論文を喜んでお送りします
正しい睡眠研究による診断が必要です
咬筋の誘発筋電図を用いて診断します
その診断は 患者さんの無呼吸発生時と
 関連付けて表されます
しかし 主として着目するのは
重度な過蓋咬合における 明らかな摩滅と
マランパチー分類と 舌のスカロッピングです
*Scalloping:舌に付いた歯型の跡*
 それら全てに気が付くべきです
正常な位置に正さない従来のスプリントでは 
 無呼吸症が悪化する可能性があります
皆さんは 歯科医院で 歯ぎしりを
治していますが 実際はそうではありません
歯の摩滅に注目しなければなりません

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