【前編】良くない口腔ポスチャーのコストと予防



第150回動画は、「良くない口腔ポスチャーのコストと予防」というテーマで、ビル・ハン先生とマイク・ミュー先生の対談をお送りしています。歯並びも大切ですが、呼吸がもっと大事という根拠は、アゴの成長が不十分なために、呼吸しづらい子供たちが増えているからです。閉塞性睡眠時無呼吸などの呼吸障害は、良く眠れていない子供たちの知能指数(IQ)の低下に結びついていることが知られています。

知能指数(IQ)が1ポイント下がるごとに、生涯年収で17万ドル(1米ドルを100円として1700万円)が下がると言っています。睡眠時の呼吸障害のある子供は、平均的に10〜20 IQポイントの低下があります。このコストは、生涯年収で100万ドル(1億円)から200万ドル(2億円)の差となって現れるでしょう。(ディビット・ゴザル先生)”Every 1 IQ point that a child loses costs them $170,000 over a lifetime. Average child with sleep disordered breathing loses 10-20 IQ points. This costs that child $1-2 million dollars over their lifetime” -Dr David Gozal

今日はビル・ハン先生をお迎えしています
このチャンネルを視聴されている方は
 頭蓋顔面の発達や
オーソトロピクスに関心があるので
ビル先生をすでにご存知でしょう
先生は 米国でオーソトロピクスを実践し
私の父は 英国で実践しています
先生は多くの人のキャリアを築いた父ですね
この領域の先駆者として
少しお話できると嬉しいです
視聴者がこの動画をご覧になる頃は
すでに私達の活動が始まっているかもしれません
「なぜ歯並びが悪くなるのか」の活動です
 根本的なテーマは「予防」です
H:予防が唯一の方法です
マイク先生のお父上に大変感謝しています
 私のキャリアを変えた人です
美しい顔貌と 呼吸気道の確保を
 行えるようになりました
私の所へくる患者さんは 本当に遅すぎます
 予防が実際に唯一の方法だからです
米国に生理学歯科学会という団体があります
団体の関係者が気付いたのは
治療の範囲は 睡眠時無呼吸や睡眠障害を含み
顎関節症にまで及んでいたことです
 大人の場合 それらが
一晩で始まったわけではありません
それらは早期に始まったことに気付きました
そのため 予防が唯一の方法になります
 団体はこう発表しています
 対症療法ではなく 
症状の発生を止める必要があると
それには 早期の介入が必要になります
団体から 歯科矯正医として
参加してほしいと言われ 承諾しましたが
私が行えるのは ほんのわずかで 
ほとんどの人は治療の開始が遅すぎます
早期に気付いて治療することが必要です
筋機能療法士や小児歯科医に加えて
小児科医の関与の必要性を確信しています
医療の障壁を越えられればですが
予防の段階では それが難しいです
公的な医療の観点からは 明らかに
医療課題の支払い対象になりません
睡眠時の呼吸障害に関連する問題だからです
ADHD(多動性障害)が急増していますが
実際はADHDでないことを理解し始めました
実際は睡眠障害をともなう呼吸の問題でした
シカゴのスティーブン・シェルドン先生は
 何年もそう言っています
それらの問題を抱える子供たちを
助けなければどうなるかというと
最近出席した学会で
シカゴ大学のデビッド先生が
子供の睡眠時無呼吸の
副次的影響について話しました
それら問題のある子供の多くは
IQ(知能指数)が10ポイント低く
その差は大学教育の有無になると言いました
M:それは大きな違いですね
H:それを金銭的に置き換えると
IQが1ポイント下がるごとに
生涯収入で17万ドルの損失になるそうです
IQが10ポイント下がり 大学に行かないと
本質的に生涯収入で170万ドルの損失になります
それは注目されるでしょう
親がそのことを理解しないで
子供を大学に行かせることを望むなら
 子供のIQが下がり
優秀な子になれないと親が理解したら
何がより重要でしょうか?
16歳の子供に新車を買ってあげたり
 予備校に通わせて
大学に受かるようにすることですか?
そうではなく 子供の顔貌が
良く発育するように助けることですよね?
それには 十分な呼吸気道を確保し
よく眠れて休養できることが必要です
そうすれば学校の成績が上がり
 顔貌や気分も良くなり
運動神経も良くなります
それら全ては子供にとって重要ですが
残念ながら私達は助けられていません
私は筋機能療法の最大の支持者です
私は11~12歳のときに矯正し
タングスラストだと診断されました
口腔エクササイズをするように言われたが
 笑ってやりませんでした
私はイリノイ州の中西部で育ち
口腔エクササイズとバスケだったら
 バスケを選ぶ子供でした
歯科大に入学後 タングスラストを学び
 その重要性を知りました
それから矯正を学びました 
 当時の 筋機能療法は
全く信用されていなかったので
興味を持たず 重要でないと思っていました
その後に あなたのお父上の
 治療法を理解し始めました
実際は口腔ポスチャー(姿勢位)の問題が
顔貌を悪くしていたことを知りました
それは呼吸気道を 小さくした原因であり
とても深刻な問題であると知りました
最も重要なのは 子供が鼻で呼吸し
歯を嚙み合わせ 舌を口蓋に付けて 
唇を閉じていることです
 胸のボタンを押すことで
それを行うように思い出させます
私はいつもそうしています
筋機能療法の訓練は無意味という考えから
一番重要という考えに変わりました
筋機能療法は 魅力的な顔貌と
良い呼吸気道の 第一段階と見なしています
この後ローマに行って講演します
筋機能療法を全然信じていなかった状態から
支持者になった道のりを話します
私は誰よりも筋機能療法の支持者です
筋機能療法を推奨せずに過ごす日はありません
ビュテイコ呼吸法もいつも勧めています
M:筋機能療法は様々で
 100通りもの方法がありますが
私は特定の方法を支持したくありません
学校によって異なる方法がたくさんあります
H:実際重要なのは 1日中子供が
歯を嚙み合わせ 舌を口蓋に付け 
 唇を閉じていることです
私自身もそれを訓練しました
成長期にやらなかったので長い顔になりました
孫が同じように長い顔に成長してほしくないです
他人の子供に対しても同じです
健康に育ってほしいのです
そのためにやるべきことがあります
H:私はその大きな支持者です
M:予防はコストが最小で済みます
H:子供に唇を閉じさせるための
 コストとは何でしょうか?
M:口を閉じさせるだけです
H:子供たちは常にビデオゲームをしています
私の子供はしませんでした
私は意地悪なお父さんだったからです
私の治療で親御さんにお願いしているのは
子供たちがビデオゲームをするとき
口や唇が ほんのわずかでも開いていたら
爪楊枝かアイスの棒 あるいは舌圧子を
唇の間に挟むことをルールにしています
 そうすることで子供たちは
唇を閉じて鼻呼吸するように強いられます
子供はビデオゲームをしながら行えるので
少なくともゲームが単なる無駄になりません
子供が少しでも行えば鼻呼吸を達成できます
M:私は同様のことを始めました
ガムを噛むとき唇を閉じるようにしています

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