概論(オーストラリア矯正事情)

Part1)概論(オーストラリア矯正事情)

Sydney_Opera_House_Close_up_HDR_Sydney_Australia

世界中で普通の家庭の子どもなら、歯科矯正を受けるのは当たり前なのに、日本はそうなっていない。いろんな事情があるにせよ、この国民的ハンディキャップを理解していただきたい。そこで、世界各国の歯科矯正事情を調査してみることにしました。

1回目はオーストラリアです。オーストラリアは日本の20倍の国土に2300万人が暮らしています。ちょうど東京首都圏の人口が、ほぼ日本の面積と同じオーストラリア東部の州に点在している感じです。資源も豊富でラッキーカントリーと言われています。ゴールドコーストとカンガルーのイメージでしょうか。

年間世帯収入の平均は59,000豪ドル(日本円で約530万円:1豪ドルを90円として)です。生活実感は現地に住んでみなければ、物価レベルや社会福祉のこともあり、正確に分かりませんが、数字上は日本と大差がありません。(2014年の日本の全国平均の世帯年収は530万円です。偶然の一致です。)税と社会保障費をのぞいた可処分所得では52,000豪ドル(日本円で467万円)です。やはりラッキーカントリーですね。税金が安いです。

人口10万人あたりの歯科医師は57人で、矯正歯科医は2.5人です。(これも偶然の一致ですが、人口10万人あたりの日本の歯科医師は62人です。また、矯正歯科医は2.3人です。【歯科医8万人÷1280=62.5 矯正歯科医3000人÷1280=2.3】) また、この人口比は、都市部は田舎に比べて約3倍の密度があります。

オーストラリアの歯科医師数は13,500人で、その内78%が開業医、11%が病院などの勤務医です。その内、矯正歯科医の数は2015年時点で583名とのことです。矯正専門医は歯科医23.5人に1人の割合です。(日本もほぼ同じく、矯正専門医は歯科医25人に1人の割合です。) 一般歯科医(GP : General Practitioner)のうち、歯科矯正治療も手がけるのは16〜30%にも及ぶそうです。(日本も歯科医院68,000軒のうち、矯正歯科も表示しているのは約20,000軒ですから、約30%となり、これも同率です。)従って、基本的な数字は奇妙なほどに一致を見ていますが、実態は全く違います。その報告はまた次回に。

青字は12月15日付けの訂正です)

コメントをどうぞ


友だち追加