上顎の成長不足にともなう反対咬合
第109回動画は「上顎の成長不足にともなう反対咬合」と題して、引き続きオーストラリア・シドニーで開業されている歯科矯正専門医の、ドレク・マホーニー先生のビデオメッセージをご紹介しています。お口周りの姿勢(オーラルポスチャー)が正しくないとは、例えば、鼻つまりのために口呼吸している時間が長い、そのため舌が下がって口蓋に密着しない、舌による内側からの圧力を受けない歯列は広がらないし、前方への成長を期待できない、というような状態です。
5〜6歳のころに多く見られる反対咬合は、上顎の成長不足もしくは遅れに起因するケースが多いです。この時にタイミングよく介入しないと、上顎に収まりきれない舌は下顎にとどまって、さらに下顎を押し出す圧力をかけることとなり、反対咬合が憎悪されます。結果的に、顎成長が終わる思春期に顎骨を切断する外科矯正を受けるか、下の前歯を内側に傾ける妥協的なカモフラージュ矯正を受けることとなります。5〜6歳のころに、反対咬合が見られる場合は、矯正歯科の先生にご相談されることをお勧めします。もし、何も処置しないのであれば、セカンドオピニオンを求めてください。
今日はリテーナーの調整のために
若いジャックが来られました
7歳半のころから治療を始めました
クラス3の反対咬合でした
とても良いオーバーバイトになりましたね
犬歯スペースが無かったですが 萌出しました
初期の状態です 深刻な前歯部の反対咬合です
姿勢的に正しく無かったためです 上顎を前方へ
当てたり滑らせたりしなかったからです
彼の上顎は(成長が)不十分で
最初のOPGレントゲンを見ると
側切歯や犬歯のスペースがありません
従来の矯正法では
乳歯が全て抜けるまで待ってから
おそらく4本抜歯してスペースを作りました
それは顎の問題を解決していません
現在は 1期治療(フェーズ1)の段階で
上顎の歯列のみ治療しています
接着型ハイラックス(拡大装置)を用い
リバースプル・フェイスマスクを使い
前方に引っ張りました
ジム・マクナマラ先生が クラス3の顎の
早期治療について書いています
どのように(上顎を)拡大して
犬歯のスペースを作ったかをご覧ください
犬歯は良い咬合位置に美しく萌出しました
早期に 正しいオーバーバイトや
オーバージェットにできなかったら
下顎の外科矯正手術や 歯を抜くこと
妥協的な治療(カモフラージュ)が必要でした
どれも理想的な治療法とは言えません
あなたがお子さんへ最善の治療を希望するなら
上顎の成長不足に伴う
骨格的な交叉咬合(クロスバイト)があるなら
早期に治療しましょう
第1に上顎を拡大し 次に前方へ引き出します
彼はフェイスマスクを正しく着用してくれました
お子さんが協力すれば理想の結果を得られます
使用するフェイスマスクは
何らかの顎の垂直成長が認められるならば
チンカップが無いものを選びましょう
面長の顔の人に チンカップを用いると
下顎骨が後方へ回転し
顔の下半分が長くなります
一方で このような短い顔なら
マクナマラ先生がデザインした
小型フェイスマスクが最適です
呼吸気道と 顎の成長発達と
治療開始時期の すべての問題は
1期治療(フェーズ1)の反対咬合で
中顔面の成長不足の患者さんは
骨格性のクラス3Aです
治療する側からのアドバイスでした