睡眠時無呼吸のお子さんの初診相談



第161回動画は「睡眠時無呼吸のお子さんの初診相談」です。ドレク・マホニー先生の矯正歯科医院に紹介されてきたジョセフ君 7歳は、睡眠テストの結果、無呼吸症と診断されました。4歳で扁桃腺とアデノイドを切除したにもかかわらず、その後のフォローアップが十分でなかったようです。ジョセフ君の異常に気づいたのは、掛り付け歯科医の先生でした。

タングタイで舌を持ち上げられない、そのため上アゴが広がらない。狭い上アゴのため、舌を収めるスペースがない。収まらない舌はノドの奥に押しやられる。結果的に、小児睡眠時無呼吸症 (Pediatric Obstructive Sleep Apnea : POSA) となっています。子供らしからぬ目の下のクマは、一時的なものですが、上アゴの成長が遅れているか弱いことに起因しています。7歳のジョセフ君はこれからアゴが成長するので、まだ間に合いました。この問題に気づいてくれる歯科医の役割はとても重要です。

今日は初診の患者さんを迎えています
ジョセフ君 こんにちは
M:ジョセフ君は7歳でしたね
既に扁桃腺とアデノイドを摘出しています
何歳の時でしたか?
母:4歳でした
M:睡眠テストを受けて
睡眠時無呼吸と診断されたからですね
彼の耳鼻咽喉科の先生は 
とても良いお医者さんで
扁桃腺とアデノイドを切除しました
しかし その後の睡眠テストはされていません
残留の無呼吸低呼吸指数 AHI とは
手術後に まだ睡眠時無呼吸が
あるかどうかを判断することです
幸運にも 彼の歯医者さんが
 クラス2級の顎関係と
狭い口蓋と タングタイに気づいたので
私の医院に紹介してくれました
そこで ぜひお見せしたい記事があります
タングタイと睡眠時無呼吸の関係です
さらに 顎矯正と睡眠時無呼吸に関して
親御さんにもっと知って頂きたいからです
睡眠時無呼吸への歯科による関与は
耳鼻咽喉科と同様に重要です
彼の目の下には
静脈貯留 (Venous Pooling) が見えます
酸素飽和度が低いことを示しています
まだ少しイビキをかいていますね?
イビキは兆候のひとつなので 
彼の咬合を見てみましょう
以前は何ミリだったか覚えていますか?
J:10ミリです
M:正解!
彼の過蓋咬合を見てみましょう
お口を閉じて 奥歯を噛んで
一つ目の問題は後退した下アゴです
他の問題は口蓋です
顎を上げて「あー」と言って下さい
口蓋がどれほど狭いかご覧いただけます
大人の歯が収まるスペースがありません
最後にタングタイです 舌を持ち上げて下さい
彼がどれほどタングタイかご覧ください
ここに正中離開があります
エッフェル塔の脚部のようですね
 コトローの測定や
オードリー・ユンの分類があります
舌先がここまでしか上がりません
ここでの重要な要素のひとつは 
 それが原因ならば
舌小帯を早期にリリースすることです
舌小帯の後ろ側を見れば
臼歯部のバンドが見えます
舌は呼吸気道の背後に影響を及ぼします
クラス2級の咬合で 無呼吸を引き起こします
残念なことは 耳鼻咽頭科の診察を受け
睡眠時の呼吸診断を受けたのに
歯科医が問題の本質を見出しました
ここでの問題は タングタイと顎の位置です
幸運にも 彼は適齢期で
顎の拡大と前方成長を容易に行えます
私が矯正を学んだ時代には
彼のような子供は 13~14歳になるまで
 治療を待つべきと教わりました
重度の過蓋咬合ならば
抜歯して上の歯列を後退させます
それは睡眠時無呼吸や側貌を悪くします
重要なのは 歯科医が呼吸器内科医や
耳鼻咽喉科医とともに
その重要性を認識することです
顎とタングタイを治療したのち
 最終睡眠テストを行って
彼に睡眠時無呼吸がないことを確認します
動画の撮影に協力してくれてありがとう

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