【再掲】狭い口蓋の問題とは



第118回動画は、17年1月に公開した「狭い口蓋の問題とは」の再掲です。2年前に公開した動画でしたが、今改めて、再確認する必要性を感じました。舌が内側から上顎歯列を広げられなければ、狭い口蓋は上顎前突(クラス2:出っ歯)となりやすいです。もしくは、上顎を前方に成長させないので、反対咬合(クラス3:受け口)の原因ともなります。口蓋に舌を付けられず、歯並びと噛み合わせが悪くなるのか? 口蓋が狭いので、舌を持ち上げられないのか? いずれにしても、負のスパイラルに陥っています。

狭い口蓋とは何か
口蓋は口腔内の天井のことであり
今日では左右の臼歯間距離のことです
左右の臼歯間の最小距離は
約29ミリから34ミリです
イギリスなどの先進国の男子の場合です
私の医院に来る発展途上国で育った人は
 その距離が広いです
患者さんの出身国に関連して 
興味深いことに私たちの祖先は皆が
臼歯間の距離が50ミリ弱でした 
 ほぼ皆が 同じ距離で
人種や出身地は関係なく 
皆が同じくらいの距離でした
狭い口蓋はおおかた歯並びが悪く
顎が細長く アデノイドの顔つきです
顔の長さと 中顔面の形態崩落とも
 関係しています
問題なのは これは悪循環であることです
 舌が口蓋に密着していて
顔面中央を上方前方に押し上げていないと
上顎が下がり 顔が長くなり 
 口蓋が狭くなり始めます
口蓋が狭くなるにつれて 
舌を口蓋に付けづらくなり
悪循環はさらにつづき 舌が口蓋から離れ
上顎はさらに下がり 舌を付けづらくなります
口蓋を広げることは可能で 比較的簡単ですが
 よく後戻りしてしまいます
私の父が 祖父のクリニックを受け継いだとき
祖父が 顎の拡大を行っていたので驚きました
 当時 父が大学で教わったことは
拡大は維持できないので 行うべきではないと
 その考えは今でも教えられています
 しかし祖父はすでに行っており
明らかに維持できているケースがありました
祖父は患者さんの記録をよく保管していたので
父が後から同じ患者さんに連絡をとることができ
以下の3つのことに気が付きました
①:多くのお子さんや患者さんに見られたのが
 多少でも後戻りしてしまったケースです
②:顎の拡大が後戻りせずに維持できたケースです
③: 顎の拡大がさらに広がり続けたケースです
科学ではよく無視されるこの異常なケースは
とても有益な効果をもたらします
舌がその後も口蓋に位置し続けるなら
拡大が維持できるという結論に至りました
顎の拡大が維持できるだけでなく
実際に広がり続け さらに拡大が続くのです
私の医院でこの現象が患者さんに起こるには
 ある特定のしきい値があります
 そのしきい値とは 
臼歯間距離が37ミリより大幅に下回ると
舌を口蓋に付けづらくなり 拡大を維持したり
さらに拡大することはもっと難しくなります
37ミリ以下では徐々に後戻りしてしまいます
従って 上顎が狭い人は明らかに問題であり
 できないことはないのですが
オーソトロピクスにおいて私が言えることは
 あなた次第だということです
誰かがしてくれることを期待してはいけません
 助けてくれる人はいますが 
自分を変えることはあなた次第なのです

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