それは歯列というより、顔貌の問題でしょうか?



「第42回動画は【それは歯列というより、顔貌の問題でしょうか?】( Orthotropics is about Faces, not only Teeth ) というタイトルでお送りしています。ジョン・ミュー先生が 2010年にカナダで開催された、顎顔面成長誘導に関する第13回国際大会でご講演されたビデオの抄録です。2014年6月の公開でしたが、秀逸な割に視聴回数が少ないお宝映像です。ジョン・ミュー先生は今年の12月に来日講演されます。ご興味のある方は、以下にご連絡ください。」

期日:12月10日・11日
会場:東京ステーションコンファレンス ( 03-6888-8080 )
参加費:50,000円
お問い合わせ先:北總(きたふさ)矯正歯科医院 ( 0479-62-0225 )

あまり否定されずに言えることがあります
未だかつて、そのような論文を
見たことがありません
歯科矯正が患者さんにとって、
長期的わたり大きなメリットがあるという
私たちは肝に銘じなければなりません
子供たちが顔の成長を損ねていることを
この部屋にいないでしょうが
完璧な噛み合わせの人がいたら驚きですね
ほとんどの人が、顎との関係性で
完璧な顔貌をしていないということです
もちろん、このコメントは抽象的ですし、
また、個人的な見解であります
顔貌(の良し悪し)は個人的な問題です
それがいかに重要かに驚かされますが
いかに個人的かでもあります
いま話している最中でも
顔貌(の良し悪し)はとても感情的な概念です
顔貌はその人の性格にも影響します
お母さんに「あなたの娘さんはとても
ひどい不正咬合をしていますね」と伝えると
お母さんは頷きますが、「あなたの娘さんは
とても醜い顔をしていますね」と言ったら
怒ってしまいますよね
あなた方が今、笑ったように
顔貌は感情的な問題だということが
お分かりいただけたと思います
なぜでしょうか?
患者さんに教えられた
信じられない出来事があります
彼女は変に飲み込む癖がありました
そのため彼女の顔は
それに合わせて成長しました
それは私の責任だと知っていました
咬合挙上装置を用いて
彼女の治療を始めたからです
私が卒業して22か23歳のときでした
自分のしていることが、まだ
あまり良く分かっていませんでした
とにかく、私がそれを引き起こしたことを
知っていたので、彼女を私の大学へ呼び戻しました
同僚に「ジョン、気にするな」
「彼女は単に、不運な成長パターンを持って
 いただけだよ」と励まされました
その不運な成長方向に働きかけたことを、私は
知っていましたが、彼らはそう考えませんでした
彼女の父は歯科医だったのでとても懸念しました
彼女はありとあらゆるテストを受けましたが
彼女の成長パターンの何が悪かったのか、
誰も何も
彼女の成長パターンが悪かったとしても
この事例が、現在の信念を築き上げました
治療前後でどのように下顎の輪郭が
 変化するのかを比べました
実際は治しているのではなく、
治療が始まったとたんに退化していました
お気づきでしょうか?10〜14歳のときは
彼女の成長期のピークでした
水平方向の下顎枝が3分の1ほど短くなりました
この症例ひとつが、他のどの症例よりも
骨の変化について多くのことを教えてくれました
その状況では、患者さんが誰であれ
同じことが起こりえたことは確かです
彼女は口を大きく開けたままにしていたので
 下顎が縮んでしまいました
咽頭気道を維持するためです
その能力は全ての子供が持つ特有のものです
全ての子供が、自分の下顎を
あのように変えられる能力を持っています
それが歯列の叢生にどのように影響するか、
 ご想像できるかと思います
第1には、顔をダメにします
第2には、最悪な不正咬合にします
彼女にとっては最悪な出来事だったと思います
彼女は今でも生存していると思います
とても気が咎められましたが、
ひとつ有意義なことがありました
私の歯科矯正の全てのキャリアにおいて、
何物にも代えがたい多くを教えられたということです
そのひとつの症例が、私の人生を駆り立てました
それを引き起こしたことへの罪悪からでしょうか
同じことを繰り返さないようにと駆り立てられ
同時に力強さも感じました
あれだけ悪くすることができるなら
同じぐらい良くすることもできるはずだと
如何にすればそれを成し遂げられるのか?
まず何よりも先に、成長パターンを変える
 方法を見つけようと思いました
それが可能だと分かっていましたが、
それほど容易だとは信じられませんでした
損害を与えたので、自分の魂を
浄化しなければならないと感じました
おそらく、その表現が正しいでしょう
全ての不正咬合は垂直成長の結果だと思います
垂直成長を正さない限り、不正咬合は治せません
これもまたひどい不正咬合です
バイオブロック・オーソトロピクスで治療している
人の全てが、前方に出るわけではありませんが
従来の矯正手法で治そうとしている人は
歯並びは良くなるでしょうが
顔貌を良くすることは難しいでしょうね
下顎が落ちて後退しているのが分かります
これは20年後の彼女です
垂直方向の成長に働きかけることで
達成でき
全てを前方に出すことにより、
後戻りする兆候がありません
私は決して保定をしません
多くの矯正歯科医は私を疎んじています
固定式リテーナーを装着し、維持し続け
なければならない苦労があるからです
リテーナーの再調整に、診療時間の
大半を費やしている矯正歯科医もいます
うわべだけの解決方法だからです
仮に解決策だと言えたとしてもです
覚えておいて欲しいのですが、
私は歯を保定しませんが
姿勢 ( ポスチャー ) の維持をモニターします
治療後に、患者さんが口を開きっ放しに
 することを知っているからです
するとどうなるでしょうか?
それは私の責任でしょうか?
私が保定しなければならないのでしょうか?
事実を伝える必要があるだけですよね?
2年間の治療を終えるころには、
私は患者さんに十分伝えていると思います
その頃には、すべての患者さんが何も問題もなく
口を閉じたままにすることができます
なので私はこう言います。
「これからはあなた次第ですよ」
「これからの人生は私の責任ではありませんよ」
私が従来の矯正手法を行っていた時
 お母さんが私の所へきてこう言いました。
「ミュー先生、とても良く仕上げて下さいました」
「でも下の歯が重なっているのが気になります」
私は反論できずにこう返答します
「申し訳ありません。また治療しますね、
  無償ですので」
それから3・4年たって、再び
その親子が来院してこう言います
「先生はとても優しい方ですね。
一旦治ったのですが、また悪くなりました」
「すぐに治療してくれたのに、すみません。
 また歯並びが悪くなり始めました」
今ではお子さんはおそらく大学生になり
私に対して申し訳なく思っているでしょう
彼らはもはや再び矯正したくありません
私に責任はありませんが、
そのようなことが昔ありました
固定式の矯正装置を使っていたからです
そのようなことは今では無くなり、
結果が上手くいかないと
患者さんは戻ってきて私に謝ります
「とても良い仕上がりになりましたが、
 まだ口を開きっ放しにしているんです」
お子さんを叱りながら、
お子さんが仕上がりを台無しにしたと言います
私の責任にしないのはなぜでしょうか?
この方針を取り入れれば、
不平を言われずにに済みます
顔全体を考慮することが、
大きな違いをもたらします
顔全体を考えることが、
顔貌の美しさに大きく影響します
左側の女の子は可愛く、
彼女の顔で醜い所はありません
右側の女の子は特別かわいいです
理由は上顎が前方に出ているからです。
それだけの理由です
上顎がとても重要であることを
 覚えておきましょう
上顎が最も重要な骨であることを疑う人は、
 この女の子を見るべきです
彼女の顔だけを見るのではなく
彼女がどんな性格をしている娘か?
 考えてみましょう
社交的でパーティーで楽しめる
 ような性格でしょうか?
おそらくそうではないでしょう
他の女の子を見てみましょう
この女の子はパーティーで楽しめる
 社交的な性格でしょうか?
彼女たちは性格が異なる女の子ですよね?
私たちが何を言いたいのか分かりますね
少しの魔法かもしれません
その通りです。
たった一つの違いは、上顎の位置です
それを覚えておきましょう。
多くの人が思っているより、ずっと重要です

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